マルシェで毎月3000人規模を集める

 ハードウエアの動線だけでなく、来場者の回遊効果を高めるソフト面の仕掛けも当初から設計している。例えば、既存建物と新築建物の間に設けた屋根付きのイベント広場「まちなか広場」では、運営にあたる指定管理者に対し年間200回の主催イベント実施を求めている。

 まちなか広場などMallmall内5施設(未来創造ステーション、まちなか交流センター、中核施設付帯駐車場、中央バス待合所、まちなか広場)と、道路を挟んで隣接するウエルネス交流プラザやその駐車場棟の指定管理にあたる都城まちづくり(都城市)で専務取締役を務める渡邊一生氏は、「土日祝日は広場で必ず何かイベントを実施しているから図書館にも立ち寄る、という来場者の声につながっている」と自己分析する。

 目玉のイベントは、毎月第3日曜日に開催する「mall mall marche(マルマルマルシェ)」だ。まちなか広場に30店舗前後が出店し、各回3000人規模を集める。3、6、9、12月の年4回は、まちなかの空き店舗や公園などにも会場を拡大。このときは1万人規模の集客を誇る。都城まちづくり総務課長の有里康弘氏は「開始時刻の朝10時から14時まで安定的に人が集まるようになった。広場のイベントとして定着してきたと感じている」と話す。

まちなか広場で2018年9月に開催されたマルシェ。右手の図書館を核とする施設に人を誘うかのように、広場には数多くの店舗が出店する(資料提供:都城市)
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 マルシェの主催は、都城まちづくりが業務委託する実行委員会。「社内のマンパワーだけでは対応し切れない。当社で企画調整力を発揮しつつ、マルシェへの出店経験が豊富な人物を実行委員に招き、幅広いネットワークを生かしてもらっている」(有里氏)。

 近くに図書館や子育て支援施設などが立地し、多くの人が行き来するという立地環境が、外部の企業・団体からイベント会場として「まちなか広場」を利用したいという申し入れに結び付くこともある。

 これまで別の会場でイベントを実施してきたある企業が、「従来は案内状を送付した人しか呼べなかったが、まちなか広場なら通りすがりの人の参加も期待できる」ということから、会場をまちなか広場に切り替えたいと申し入れがあったという。「まちなか広場は、イベント主催者側にアピールできる環境だ」と、渡邊氏は手ごたえを感じている。

 「今後は、図書館などほかの施設やまちなかの商店との連携を深めたい」。渡邊氏はそう意気込む。図書館側でも、これまでは、まちなか広場で開催されるイベントの案内チラシを置く程度だったが、例えばマルシェに読み聞かせのブースを出展するなど、広場で開催されるイベントに自ら参加していく方針だ。