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杉並区と南伊豆町が共同開設した特養が始動

障壁だった医療制度、国に働きかけて見直しが実現

真部 保良=グローカルメディア【2018.6.21】

東京都杉並区は静岡県南伊豆町と共同で、車で約4時間かかる遠方の同町内に、区民用の特別養護老人ホームを開いた。杉並区にとっては高齢者に新たな居住の選択肢を提供でき、南伊豆町にとっては雇用や食材消費などの増加の恩恵を受けられるという一挙両得の施策は、両者が築いてきた長年の連携を背景に実現したものだ。

 静岡県南伊豆町内に2018年3月、特別養護老人ホーム(以下、特養)の「エクレシア南伊豆」が開所した。90床のうち、地元の南伊豆町民向けは約40床。残る約50床は、東京都杉並区民の入居を想定していた。開所から2カ月で、予想を上回る62人の区民から申し込みがあった。「遠すぎて応募者が集まらないのではないか」という懸念の声も一部に上がっていたが、まずは順調なスタートと言えるだろう。

エクレシア南伊豆。クラウドファンディングで集めた資金で、建物の周囲に河津桜を植えている(写真:真部保良)
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エクレシア南伊豆のレイアウト図(資料:梓友会)
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 施設が建つのは、南伊豆町が所有する敷地。同町が公募で選んだ民間事業者の社会福祉法人梓友(しゆう)会(静岡県下田市)が建設し、所有した状態で運営を行う。同法人は町から敷地を無償で借り受けている。50年間の定期借地契約だ。

 工事費は約17億7000万円、設備整備費などを合わせると約19億8000万円かかった。このうち、約6億2000万円を杉並区が、約4億3000万円を静岡県が負担。残りは事業者が用意した。そのほかに必要な敷地周囲の擁壁や道路の整備は、町が負担した。

 杉並区が特養の新設地を区内で調達しようとすると、土地購入費は10億円を下らない。今回はその負担なく施設を整備できたことになる。

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