新型コロナウイルス感染拡大でさまざまな防止策が採られるなか、人びとの暮らしにも大きな影響を与え、新たな生活様式が模索されている。佐賀県は、新型コロナウイルス感染症対策の一環として2020年5月22日から6月6日の間、歩道上で飲食店が夜間にオープンテラスを運営する社会実験「SAGAナイトテラスチャレンジ」を行った。5月29日にニュースでお伝えしたが、今回はさらに詳しく取り組み内容を見ていく。

「SAGAナイトテラスチャレンジ」初日の様子。新型コロナの影響でなかなか人通りが戻らない歩道にテラス席が設けられた(画像:佐賀県)
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 「SAGAナイトテラスチャレンジ」は、指定区間内の歩道で店舗の軒先1m程度を飲食店のテラス席(屋外席)として活用するというもの。佐賀駅から佐賀県庁を結ぶ中央大通り(県道)の12店舗と協力仮設店舗1店舗が参加した。3回の週末を含む2週間強の期間中、18時半~22時の時間帯で店先の歩道や駐車場などに、各店それぞれ4~10席ほど屋外席を設置した。オープンテラスによる「3密」を回避しながらの地域活性化の可能性を検証することが目的だ。

行政による新たな投資なしで実現

佐賀県政策部政策チームさがデザインの江島宏推進監。さがデザインは、「人のくらし、まち・地域を心地よく豊かなものにすること」を目的として、クリエーターらと協働し県の施策にデザインの視点を導入することをミッションとしている(写真:唐松奈津子)
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 「SAGAナイトテラスチャレンジ」は、「あくまでも社会実験。県主催のイベントではない」(佐賀県政策部の江島宏・さがデザイン推進監)という位置付けだ。今回の取り組みに、県や市では新たな投資などの予算は設けていない。ただし、夜間に歩道などで店舗が飲食営業をするためには、県警をはじめとする関係各所との調整や手続きが必要だ。これらについては県が市と協力し、県警への道路使用許可申請や、中央大通りが位置する唐人町商店街組合や唐人町自治会への地元合意の取り付け、保健所への屋外営業許可の相談、手続き等を一括して行った。また、テラス席の設置に必要な机や椅子などの備品が足りない店舗には、市所有の物品を無償で貸し出すなどした。

 道路管理者への道路占用許可申請にあたっては国土交通省の通知「地域の活性等に資する路上イベントに伴う道路占用の取り扱いについて」(2005年3月17日)を参考に手続きを行った。これは道路管理者へ向けて、路上使用目的が地域の活性化や都市における賑わい創出に資するものであれば、占用の許可において弾力的な措置を採るよう求めたものだ。さらに、通常、地域団体や民間事業者が主体となって路上利用を行う場合は、道路占用の許可申請とともに占用料が必要となるが、地方自治体が一括してその申請を行うことで、占用料は発生しない。

 一方、テラス席の設置や食事・サービス提供などの運営においては各店舗が責任をもつ形で運営されている。そのため期間内のテラス席の設置日、定休日などは店舗によって異なる。県は参加店舗の募集にあたり、歩行者等の安全や美観を保持するためにオープンテラスの設置位置や事故防止、損害賠償責任等についての項目を記載した「参加確認書」への同意・提出を求めた。

参加申請時に添付された参加確認書(資料:佐賀県)
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