5万6800m3の大規模な調整池

 SBエナジーの藤井宏明副社長は、「計画から5年かかったが、町と共存し、安全と環境保護に資する発電所が完成した。湧水町は豊富な湧き水で有名。大規模な調整池を適切に運用するなど、町と共に名水を守っていきたい」とあいさつした。

 メガソーラーの竣工式に関わらず、藤井副社長が太陽光パネルでなく「大規模な調整池」について触れ、「水を守る」ことを強調したのには、この地域特有の背景がある。

 湧水町や隣接する霧島市は、日照に恵まれているうえに、ゴルフ場の開発跡地など広大な遊休地も多く、全国有数のメガソーラーの建設地になっている。一方で、この地域に独特の白い火山灰土壌(シラス)に覆われているエリアが多く、林地開発によって保水力が低下すると、表面流水で土壌が流出しやすいという特徴がある。

 実際、霧島市では、メガソーラーの建設現場から大雨の後に濁水が流れて川が濁るなど、新聞で度々報道され、周辺の農家などが対策を申し入れるケースも出てきた。

 「鹿児島湧水ソーラーパーク」は、約36.2haの敷地に太陽光パネル約12万4000枚を並べるとともに、3つの調整池を設置した。敷地内に深さ約1mのU字側溝を整備して調整池に雨水を貯め、土砂を沈殿させたうえで外部に流すようにした。3つの調整池の貯留能力は、合計で約5万6800m3に達する(図3)。

図3●「ソフトバンク鹿児島湧水ソーラーパーク」の全景
(出所:SBエナジー)
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