まず、目玉となる星野リゾート「界」は約5500㎡の敷地に地上4階建てで40の客室を備える。大浴場のほかに、宿泊客以外でも利用できるショップなども展開する予定だ。星野リゾートのブランド力により幅広い地域からの誘客とともに、温泉街の他施設の客が立ち寄ることも期待されている。

 2番目は、そぞろ歩きができる魅力ある温泉街の復活。そのためには、音信川の川床に遊歩道や飛び石を設けている。親水エリアなどを設けるほか、川床に小さな舞台を設けてたたずむ空間を新設する。SNSの活用を期待して写真映えするシーンを用意し、駐車場と川岸を結ぶ120mほどの竹林を抜ける階段も新設する。もちろん食べ歩きに適した料理の開発も怠らない。

そぞろ歩きができる魅力ある温泉街の復活を目指す。青いシートに覆われているのが建設中の星野リゾート「界」(写真:今村浩一)
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目標は「にっぽんの温泉100選ランキング」ベスト10

 3番目には、地元の陶芸作家などとの連携しながら文化体験ゾーンを設ける。すでに、古民家を再生し陶芸品を展示・販売するカフェも地元の有志の協力により開店している。

 4番目は、外湯の再生だ。この温泉には古くから2つの「外湯」を有していたが、このうちの「恩湯(おんとう)」を立て替えて立ち寄り湯としても活用していく。2019年11月の開業を目指して現在改修工事を進めているが、こちらの運営は、地元の温泉組合の若手らが中心となって設立した株式会社、長門湯守(ながとゆもり)が担うことになっている。

 この計画での具体的な達成目標は、業界の専門誌である観光経済新聞社の「にっぽんの温泉100選ランキング」を全国10位以内まで引き上げるというもの。それに伴い温泉全体の収益性が高まり、持続的な成長サイクルが回りだすことが期待されている。とはいえ、計画制定時には86位だっただけに、ハードルは高い。魅力的な温泉地になるためには、「風呂(外湯)」「食べ歩き」「文化体験」「そぞろ歩き(回遊性)」「絵になる場所」「休む・佇む空間」という6つの要素を磨き上げ、観光客の満足度を引き上げていくことが必要と考えられている。