蓄電池の放電でピークカット

 プロジェクトの本格運用が始まって4年半が経過した。目標指標として掲げた「再エネ比率20%以上」を余裕もってクリアし、平均で36%を達成しているという。

 「太陽光比率30%」さえ難しいとされるなか、36%まで上げられた要因はいくつかある。もともと市の公共施設は、住宅に比べると夜間の電力消費が相対的に少ないため、太陽光発電で賄える割合を増やしやすいという面もある。

 加えて、「屋根上太陽光で足りない分は、2.9MWのメガソーラーから供給を受けられることが、再エネ比率向上に大きく貢献した」(NTTファシリティーズ)と言う。

 出力規模の小さい屋根上太陽光では、曇りや朝夕には、需要に対する比率が大きく下がってしまうのに対し、メガソーラーの場合、もともとの出力規模が大きいため、曇りや朝夕でもまとまった出力があり、これを活用することで、再エネ比率を押し上げられる。

 また、CEMSによる蓄電池の充放電制御と、空調・照明に対するDRも、再エネ比率向上に貢献する。ただ、CEMSの目的は、再エネ比率の向上のほか、省エネによる電気代削減、災害時に備えたレジリエンス(回復力)の強化も重要なテーマになっているため、これら3要素のバランスを取りながら運用しているという。

 例えば、蓄電池の活用方法では、まず災害による停電に備えて定格容量の半分を常に充電しておく。そのうえで、需要ピークとなる昼前後に放電して受電量を減らす「経済性重視の運用」と、昼間に屋根上太陽光の余剰分を充電しておき、早朝や夕方に放電する「再エネ比率重視運転」の2パターンの運用を季節や天候によって使い分けているという(図5)。

図5●本庁舎の蓄電池でピークカット制御を行ったケース
(出所:北上市)
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