DRで空調温度を1~2度変更

 また、DRについては、冬場の悪天候時にエアコン暖房の設定温度を1~2度下げ、照明の一部を消すDR指令を出すことで、省エネと再エネ比率を上げる効果があるという。

 冬場の積雪や曇天時には、太陽光の発電量が伸びない中、気温が下がる。このため、エアコン暖房の稼働率が上がるにつれて、再エネ率が下がっていく。この時に、空調の設定温度を下げて空調負荷を落とすと、省エネと再エネ比率向上につながる(図6)。

図6●本庁舎の空調・照明をDRで制御したケース
(出所:北上市)
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 「ただ、建物内で働く人たちの快適性を犠牲にし過ぎることも避けたいため、手動による空調操作が行われた場合、DR指令は解除されるようになっている」(NTTファシリティーズ)という。DRの課題は需要家の快適性との両立にあることが改めて浮き彫りになった形だ。

 また、蓄電池の制御も、そもそも今回導入した蓄電池の容量が需要に比べて相対的に小さいため、ピークカットや再エネ比率向上への効果は限定的という。今回のプロジェクトで導入した蓄電池としては最大容量になる本庁舎の蓄電池(300kWh)でさえ、レジリエンスなどを考慮したうえで日常的に充放電できる容量は120kWh程度に過ぎない。

 こうした背景から、「CEMSによるDRと蓄電池の運用による再エネ比率の押し上げ効果は、1ポイントにも満たないのが実情。再エネ比率36%の達成では、やはりメガソーラーからの電力供給の貢献度合いが大きい」(NTTファシリティーズ)という。