『日経コンストラクション』2017年7月10日号「特集 地域交通ネクストステージ」より

 茨城県北部の日立市は日立グループの企業城下町として知られるが、少子高齢化で人口の減少が進んでいる点はほかの地方都市と変わらない。かつて20万人を超えた人口は現在、約18万人だ。

 日立市は高齢化への対応を視野に入れてBRT(バス高速輸送システム)の整備に着手。日立グループの日立電鉄交通サービスと組んだ公設民営の「ひたちBRT」の運行を、13年3月にまず市南部のJR大甕(おおみか)駅以南の第1期区間(延長3.2km)で開始した。

 現在は、より市中心部に近いJR常陸多賀駅まで延伸する第2期区間(延長6.2km)の整備を、19年春の完成を目指して進めている。事業費は大甕駅の跨線橋を含めて約48億円だ(写真1、図1)。

写真1■ 第1期区間の専用道を走行するひたちBRTのバス(写真:日経コンストラクション)
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図1 ■ ひたちBRTの路線図
日立市の資料をもとに日経コンストラクションが作成
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 BRTを導入する多くの自治体にとって、速達性や定時性を担保する専用道または専用車線をいかに確保するかは共通の悩みだが、この点で日立市は例外的に恵まれていた。日立電鉄交通サービスの前身である日立電鉄の廃線跡地を専用道として整備することができたからだ。第1期と第2期区間に占める専用道の割合は71%に上る計画だ。

 安定した運行が人気を呼び、第1期区間で平日の1日の平均利用者数は採算ラインの470人を超える550人にまで伸びている。

 第2期区間への期待も大きく、市内では現在、同区間の開業を当て込んだ宅地開発の動きが表面化している(写真2、3)。

写真2■ JR大甕駅付近で建設中の高層マンション。ウェブサイトでBRTの利便性をアピールしている(写真:日経コンストラクション)
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写真3■ 大沼停留所予定地(手前)の近隣で地元の住宅会社による宅地開発が進んでいる(写真:日経コンストラクション)
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