自治体と大学の連携に協力

 その頃、滝口氏は地元のビジネス交流会で、慶応義塾大学の齊藤智彦氏〔前ページ写真1右〕、赤松智志氏〔写真2左〕と出会う。同大学は山梨県や富士吉田市と2007年に連携協定を結び、地域活性化を目指す「富士吉田プロジェクト」を開始。現地で調査研究を重ねていた。

〔写真2〕地域おこし協力隊出身者がゲストハウスで起業
第1期協力隊の赤松氏は任期満了後に空き長屋でゲストハウス「SARUYA」を開業した。滝口建築が耐震補強を含む改修工事を請け負った(写真:三上 美絵)
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 2013年、大学側のまとめた提案を受けて市は「富士吉田みんなの貯金箱財団」を設立。齊藤氏が、その代表理事に就任した。同財団は、名前のとおり、市民や法人からの寄付を貯蓄し、地域おこし事業に投資、助成するまちづくり会社だ。

 齊藤氏は彫刻家として海外で活動した後、まちづくりを基礎から学ぶため慶応義塾大学に入学し、富士吉田プロジェクトに参加。貯金箱財団の設立を機に富士吉田市に移住した。

 一方、大学4年生だった赤松氏も市が貯金箱財団と同時期に導入した「地域おこし協力隊」の第1期メンバーとして市内に移住。財団の支援を受けて、空き家活用プロジェクト「アキナイ」をスタートさせた。

 「改修も自分たちでやろうとしたが、さすがに耐震補強までは無理だった」と赤松氏は明かす。その相談を受けた滝口氏は、協力を即答した。