サウンディングで宿泊料金の考え方などに民間から意見

 市は正式な事業者募集に先駆け、2018年6~7月に現地見学会とサウンディング型市場調査を行った。サウンディングには4社・1団体が参加し、ターゲットや料金設定、間取りなどに関して具体的な意見が多く集まった。町家活用事業に一定数の事業者から関心が寄せられ、収益性についても明るい見通しを持つ参加者が多かったため、市としては事業の方向性について自信を深める結果になったとする。

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施設整備後の街並みのイメージ。市はホテル開業をきっかけに新たな観光需要を掘り起こしたい考えだ(資料:津山市)

 特に、事業の採算については参加者のほとんどが「5年でメドをつけて、10年以内に黒字化できる」と話したという。定久課長は「民間は発想が行政とまるで違う」と目をみはる。

 「例えば、宿泊料金の考え方がそうだ。われわれ行政の人間は、市内のビジネスホテルの相場を基準に考える。しかし、サウンディング参加者からは『ビジネスホテルと価格競争をするのは間違い』『海外の富裕層などをターゲットとする高級旅館に仕立てて、それに見合った料金設定をすべきだ』という意見が聞かれた」

 宿泊中の飲食の提供方法についても具体的なアイデアがいくつも上がったという。津山市都市建設部歴史まちづくり推進室の黒瀬英生室長は「施設内には厨房を設けずに、近隣の飲食店と提携するといった案が出た。地域経済に波及効果が出るほか、宿泊客に地元産の食材を印象づけることもできるので、地域活性化につながりそうだ」と話す。

江戸後期から明治初期にかけて蘭学の人材を多く輩出したことにちなんで、地元商店会に加盟する飲食店。「オランダ飯」を提供中だ(写真:赤坂麻実)
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