PCSは、東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製の関連機器を中心に一体化したWave Energy(東京都港区)のオールインワン型を導入した。

 集電盤からPCS、昇圧変圧器などを一体化した製品で、PCSは出力630kW・直流入力電圧1000V対応機で構成している。

 PCSは、計画当初は500kW・600V対応機の採用を想定していたが、大出力・高電圧対応機に変えることで、PCSそのものの導入台数の削減に加えて、接続箱の台数や電線の総延長の削減といった導入コスト全体の削減につながった(図8)。

図8●当初の計画からPCSの仕様を変えてコスト削減と高効率化
東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製の関連機器を中心に一体化したWave Energyのオールインワン型を導入(出所:日経BP)
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 さらに、発電開始後の所内での発電・送電ロスの削減にも寄与している。ここでは、PCSの変換効率が当初予定機の97.1%から98.5%に向上したことも大きかった。

 発電設備の選定では、Wave Energyの助言が大きかったとしており、遠隔監視・制御システムも同社のものを採用している。

 遠隔監視では、PCS段階、ストリング(太陽光パネルを接続する単位)段階の二つの段階で発電状況を把握している。PCSの遠隔制御も可能で、連系先の送電線の事故などが原因でPCSの稼働が停止した場合には、電力会社から安全の確認と復旧の許可が得られれば、現地での手動による操作ではなく、遠隔から再起動できる。

 監視カメラの台数も多く(図9)、可視画像だけでなく、赤外線とマイクロ波の2種を使った監視システムで防災・防犯に努めている。

図9●監視カメラを多く導入
赤外線とマイクロ波の2種を使った監視カメラも設置(出所:日経BP)
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 2015年10月に売電を開始した後、発電量は好調に推移しているという。当初の計画値に対して10%~20%上振れしており、事業収支が計画より向上している。

 また、売電先を中国電力ではなく、新電力としていることも事業性を高める要因となっている。

 新電力は一般的に、固定価格買取制度(FIT)の設備認定上の買取価格よりも、割高で再エネ電力を購入する。今回の場合も、FIT上の売電単価である40円/kWh(税抜き)に上乗せした価格で、丸紅新電力に売電している。

●発電所の概要
名称出雲SOLARiE 大社太陽光発電所
所在地島根県出雲市大社町中荒木2391(宍道湖西部浄化センター内)
敷地面積約6万3480m2
土地所有者島根県
太陽光パネル容量約5.59872MW
パワーコンディショナー(PCS)容量4.410MW
力率98%
発電事業者アイ・ねっと(島根県松江市)
設計・監理アイ・ねっと
施工ソルコム(広島市中区)
O&M(運用・保守)アイ・ねっと
太陽光パネルネクストエナジー・アンド・リソース(長野県駒ヶ根市)製
(単結晶シリコン型、270W/枚、2万736枚)
PCS東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製
(出力630kW・直流入力1000V対応機7台、Wave Energyのオールインワン型製品)
遠隔監視システムWave Energy製
監視カメラ・セキュリティシステム綜合警備保障
売電開始日2015年10月
固定価格買取制度(FIT)の認定上の売電価格40円/kWh(税抜き)
売電先丸紅新電力