松阪市(まつさかし)
三重県のほぼ中央に位置し、伊勢湾に面する。2005年に4町(嬉野町、三雲町、飯南町、飯高町)と合併し、面積は東京の23区とほぼ同じの約623km2、人口は約16万2596人(2020年7月1日現在)。松阪牛や松阪茶の生産地として知られる。天然藍の先染め糸で織る松阪木綿が三井家や小津家、長谷川家などの豪商を生んだほか、伊勢参りの旅人が行き交う地の利を生かして発展してきた。江戸時代の国学者、本居宣長も小津家の出身である
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 三重県松阪市は、県の中部に位置し、東は伊勢湾、西は山々に面する。松阪の地名が広く知られているのは、なんといっても世界的なブランド和牛肉である「松阪牛」によるところが大きい。このほか、深蒸煎茶の松阪茶の産地でもある。

 この松阪市において2020年5月1日、市内にある2カ所の規模の大きな太陽光発電所の発電電力を、市が公共施設で活用し始めた。

 松阪市と、同市が主導して2017年11月に設立した地域新電力である松阪新電力(松阪市)による取り組みの一環で、この2カ所の太陽光発電所に関連する「再生可能エネルギー電気特定卸供給契約」によって実現した。松阪新電力は、松阪市のほか、東邦ガス、第三銀行、桑名三重信用金庫(設立当時は三重信用金庫)が出資して設立された地域新電力で、同市内の公共施設などに電力を供給している。設立は2017年11月で、地方自治体が出資した地域新電力としては、東海3県では初めてという。

 市内の太陽光発電所が発電した電力を、市内の施設で使うという、いわゆるエネルギーの地産地消を目的とする取り組みだ。松阪新電力、松阪市の両者ともに、市内にある再エネ発電所の電力を活用できるチャンスがあれば活用したい意向があったという。

 2カ所の太陽光発電所は、三重交通グループホールディングスの事業会社である三交不動産(津市)が開発・運営している(図1)。2カ所のメガソーラーの太陽光パネル出力の合計は約3.57MWで、年間発電量の合計は約423万9000kWhを見込んでいる。

図1●特定卸供給に活用され始めた松阪市内の太陽光発電所(出所:三交不動産)
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 同社は地元の三重県内に集中して多くの太陽光発電所を開発・運営している。稼働済みの太陽光発電所は28カ所・合計出力約104MWに達している(松阪市内のメガソーラーの関連コラム)。

 今回の松阪市内の2カ所の太陽光発電所の例では、松阪新電力への電力供給を担当している東邦ガスが、中部電力と「特定卸供給」の契約を結んだ。「特定卸供給」とは、小売電気事業者が発電事業者に卸供給の承諾を得たうえで、発電事業者や発電所を特定した再エネ電気を、送配電事業者(今回の場合は中部電力)の供給設備を介し、小売電気事業者に対して卸供給する仕組みである。この契約に基づいて、三交不動産の松阪市内の2カ所のメガソーラーの発電電力が、中部電力から東邦ガスを通じて松阪新電力に供給され始めた。三交不動産の売電先は、中部電力のままで変わらない。