航空関連施設ならではの申請や調整

 2020年12月、初めてドローン点検を実施した(図5)。定期点検や巡視などが確実に実施され、発電量も良好な傾向にあるが、より念入りな予防保全を実現するために、現状をより精密に診断し、今後のO&Mに生かしていくことが目的だった。

図5●航空施設ならではの申請や調整が必要だった
図5●航空施設ならではの申請や調整が必要だった
ドローン点検時の様子 (出所:Kクリーンエナジー)
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 今回のドローン点検では、空港跡地というだけでなく、隣でヘリポートが運用されているため、他のメガソーラーとは異なる申請や実施日時の調整が必要だった。

 オリックスが単独などで運営しているメガソーラーでは、子会社のオリックス・リニューアブルエナジー・マネジメント(OREM)がアセットマネジメント(AM)とO&Mを担当し、毎年のようにドローン点検を実施している。

 その知見を活用したいと考え、SPCからO&Mの九電工に提案し、SPCがOREMに委託した。

 枕崎空港跡のメガソーラーでは、今後2~3年間は年に1回、定期的にドローン点検を実施する方向で検討しているという。

 OREMがO&Mを担当しているメガソーラーでは、1回目のドローン点検で、多くの不具合が見つかるという。その結果を受けて念入りに対処していくことで、2年目、3年目のドローン点検では、不具合の数が少なくなる。

 そこで、3年目以降はドローン点検の間隔を隔年などに広げている。枕崎のメガソーラーでも、そのような流れになってくるのではないかと予想している。

 九電工でもドローン点検に取り組んでおり、現在、十数人の担当者が操縦士関連の資格認定を申請中という。九電工が運営している枕崎市の別の発電所では、ドローンで空撮した熱分布の画像から、太陽光パネルの割れを発見できた例もあり、効果が高いことを実感しているという。

 今回のドローン点検で見つかった不具合の可能性は、1回目としては、標準的な件数だったという(図6)。

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図6●ドローン点検の結果
図6●ドローン点検の結果
上が特高の第二発電所、下が高圧の第一発電所(出所:Kクリーンエナジー)
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 ただ、その後、現地を巡回して確認したところ、不具合のある箇所はドローンで発見された件数ほど多くないという。日々のメンテナンス作業によって、鳥のフンなどの汚れも清掃しているため、過熱を示していた場所でその原因が解消されているという場合もあるようだ。

 九電工によると、過熱している場所がはっきりわかることが、まず大きな利点という。接続箱の入力端子を通じた測定や、パネルごとに切り離して測定しなくても、不具合箇所を特定できることで探す手間が省ける。

 電気的な不良が予想される太陽光パネルについては、順次、開放電圧測定、絶縁抵抗測定などを経て、実際にどの程度の不良が生じているのかを把握していく。