いち早く「九電によるオンライン制御」
九州では太陽光発電所への出力制御(抑制)が日常化している。この中で、枕崎空港跡のメガソーラーでは、オリックスが関わる案件の中で、いち早く九州電力によるオンライン制御に対応したという。約1年半前に導入した。
この費用対効果などの大きさから、オリックスは九州で運営しているメガソーラーに順次、九電によるオンライン制御への対応を進めていった。
枕崎空港跡のメガソーラーを最初の案件に選んだのは、規模の大きさとともに、PCSの仕様と通信プロトコルが、九電の仕様と相性が良く、比較的安価で簡便に導入できるためだった。
現在は、九電にオンライン制御への変更の要請が多く、現地での施工や対応に半年以上、待つ状況にあるという。待っている期間の売電ロスを回避できたことだけでも、いち早く導入しことの利点は大きそうだ。
九電による出力制御指令は、発電事業者側が制御する場合は、8時~17時などの間、止めることを指示されるが、九電によるオンライン制御では、現状では11時~13時といった2~3時間で済んでおり、売電ロスに大きな差が生じる。
●発電所の概要
名称 | 鹿児島県枕崎市枕崎空港第一発電所・第二発電所 |
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所在地 | 鹿児島県枕崎市あけぼの町275ほか |
敷地面積 | 約12.9万m2 |
土地所有者 | 枕崎市 |
発電事業者 | Kクリーンエナジー (出資比率:オリックス70%、九電工30%) |
EPC(設計・調達・施工)サービス | 九電工 |
O&M(運用・保守) | 九電工 |
連系出力 | 合計6.98MW 第一発電所:1.99MW、第二発電所:4.99MW |
太陽光パネル出力 | 合計約8.218MW 第一発電所:約2.27MW、第二発電所:約5.94MW |
初年度の年間発電量(計画) | 約918.59万MWh (一般家庭約2550世帯の消費電力に相当) |
太陽光パネル | 韓国ハンファQセルズ社製 (出力245W品、3万3544枚) |
パワーコンディショナー(PCS) | 東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製 |
架台 | リヒテンシュタインのヒルティ社製 |
売電開始 | 2014年9月 |
売電先 | 九州電力グループ |