医療機関と地元企業の協力があって成立した

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駒ヶ根市の保健センター内設置された「こまがね健康ステーション」。活動量計をかざすと、データが吸い上げられるようになっている。マイページにログインすればデータは利用者が自分のスマホでも確認することができる(写真:山田真弓)

 システムをつくっても、使ってもらえなければ意味がない。幅広い年代層に「使うことでのメリット」が感じられるようにするためにはどうしたらいいのか。そう考えていた矢先の2014年、浜氏は、一冊の本に出会った。東京都健康長寿医療センター研究所の青柳幸利・運動科学研究室長が書いた『あらゆる病気を防ぐ 「一日8000歩・速歩き20分」健康法: 身体活動計が証明した新健康常識』である。

 この本を読んだ浜氏は、1日歩いた結果がどれだけ病気予防につながるのかが示せるのではないか、歩数に対する意味付けができればメリットとして示せるのではないかと考え、さっそく著者の青柳室長に話を聞きに行った。そして、市民が受診時に自身の活動量計のデータを医師に見てもらいながら、その場でコメントをもらえるような仕組みづくりをすることになった。

 こうして、地元の医師たちにも相談しながらつくりあげたのが、「こまがね健康ステーション」だ。現在、駒ヶ根市内の内科を標榜する医療機関の7割に導入されている。

 国のモデル事業として認められた「こまがね健康ステーション」事業は、国から776万円の補助金を受けて、2016年度にセキュリティ面やデータの見える化などを強化した(2016年度の「こまがね健康ステーション」の決算一般会計分は930万円)。

 駒ヶ根市が限られた予算の中でシステムが構築できたのは、フットワークの良い地元企業キャリコと、必要十分な機能だけを搭載した活動量計を提供してくれるアコーズに出会えたことが大きかった。既に市内の医療機関や行政のシステムやセキュリティなども手掛けていたこともあり、必要なデータだけを統計化していくことができたのである。大手企業が提供するフル機能で高額なパッケージ製品は、今回は敷居が高かったと浜氏は振り返る。