まちの中心部にあるスーパーマーケットの2階に、住民が集える拠点、「コノミヤテラス」を設けた。住民同士の意見交換・交流活動のほか、健康、介護、運動など、毎月様々なイベントを開催
[画像のクリックで拡大表示]
南花台のまちづくりの総合コーディネーター、関西大学佐治スタジオ研究員の関谷大志朗氏。「健康寿命の延伸や持続的なまちづくりがプロジェクトの目標。健康づくりを通じて友達づくりを図り、人口のバランスを考慮した取り組みを行っていく」と話す
[画像のクリックで拡大表示]

 「咲っく南花台プロジェクト」の最初の展開は、「みんなの拠点づくり」の取り組みであるコノミヤテラスのオープン。空き店舗の1部屋から始めて徐々に改修を進め、現在は4部屋が使える。そこで月に1回の「住民集会」や、「コノテラカフェ」と名付けた気軽な語り合いを行ってきた。

 365日オープンで、誰でも気軽に参加できる活動を行う、広場のようなスペースを目指す。健康や介護に関する相談会、映画の上映会、お茶会などのほか、2部屋は有料で貸し出しも行っている。「たいしろうのバー」と名付けた、ご飯持ち寄りの食事会を開く日もある。

 南花台のまちづくりをプロデュースする、関西大学佐治スタジオ研究員の関谷大志朗氏は、「使いながら整備を進め、多様な機能を持たせてきた。これが地域の拠点のあり方なのかもしれないと思うようになった。それまでつながりのなかった世代・立場の人が触れ合える場所になっていった」と話す。

 2016年4月には、河内長野市が第5次総合計画で、南花台を「丘の生活拠点」と位置付けた。市南部の開発団地の生活を補完できる拠点づくりが目的だ。「咲っく南花台プロジェクト」は、丘の生活拠点創生事業として国から「地方創生加速化交付金」を受け、引き続き推進されることになった。

丘の生活拠点創生事業のイメージ(資料:河内長野市)
[画像のクリックで拡大表示]

地域に開かれた学校へ、グランド開放も一役

 6つのプロジェクトの狙いに合わせ、冒頭のラジオ体操のような活動は、ただの健康づくりではなく「健康『仲間づくり』」と捉えている。実際、有志による「健康クラブ」が発足、高齢者向けの体操会などを実施している。

 仲間づくりに向けた取り組みはほかにもいろいろある。例えばコノミヤテラス運営研究会では、4ページ建ての「コノテラ通信」を毎月3500部発行しているが、これは「まちの情報発信」源にもなっている。また、「子育て・子育ち環境づくり」のチームは、若い母親同士が子育ての悩みなどを語り合う催しを開催している。

 そして2017年4月、小学校跡地に大阪市内の医療法人錦秀会が学校法人を設立して看護専門学校を開設、准看護師の養成課程などを設けた。「地域との交流」をスローガンに、住民が患者役として授業に参加したり、看護学生と住民との交流の機会を設けたりしている。そのほか、人工芝の球技場を整備した運動場や体育館を地域にも開放している。

 今年4月から看護学校には高校生が看護師になるための全日制の課程が増設された。「入試の倍率も高くなったし、通学用のバスの本数も増えて、住民に『まちが変わった』という印象を与えている」と関谷氏は話す。球技場の利用者ものべ2万人近くに達しているという。

プロジェクト立ち上げのきっかけの一つ、南花台西小学校の跡地利用では、看護専門学校の誘致に成功し、2017年4月に開校(写真左)。人工芝のグラウンドを設けて地域に開放するなど、「地域に開かれた学校」を目指している
[画像のクリックで拡大表示]