南花台自治会会長の髙橋勇司氏(写真左)と同自治会スマートエイジング・シティ事業特別委員会の後藤幹雄氏(写真右)。高齢化が進む団地の地域包括ケアや持続的なまちづくりに、住民サイドから参加してきた
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 山を切り開いて団地を造成した南花台は、坂道の多い地形。高齢で足腰の悪い住民は生活していくのが大変な地域だ。そこで、自転車に乗れない高齢者や子育て世代などの「買い物弱者」を対象に、別の住民が支援するサービスも始めた。サポーター登録した地域住民が、一緒に歩きながら買い物をして、購入した野菜や牛乳などの荷物を家まで持っていくというものだ。買い物支援だけでなく、住民同士がコミュニケーションを取る時間とすることも目指す。

 今年6月からは支援対象を生活全般へと拡大。庭の手入れなど高齢者にとって大変な仕事はほかにもあるという認識に立ち、利用希望を受け付けながら具体的にどんなニーズがあるか探っていくという。「介護保険には“すき間”があり、それを埋めるには、いかに一人住まいの高齢者を元気な人が助けられるか、すなわち『互助』がカギになる」と南花台自治会の後藤幹雄氏は話す。買い物支援を「生活応援」に模様替えしてから、それまで月に数人だった利用者が7月は中旬までで10人を数え、大きく伸びている。

 南花台には、2017年4月に発足した約60の商店や飲食店などで組織する「咲っく南花台事業者の会」がある。いわば10年ぶりの商店会の復活だ。看護専門学校や幼稚園・保育園も含め、団地内を中心に幅広い事業者が加わっている。偶数月の最終金曜日には、「プレミアムフライデー」として割引や地域商品券の抽選会を実施。夏祭りなど地域イベントへの協力、ウェブサイトや掲示板での情報発信、事業者交流会の開催などに取り組み、地域の活性化の一翼を担っている。

人口10万人維持の先導役に

 今年2月20日には、河内長野市、関西大学、UR都市機構は、「南花台地区『丘の生活拠点』に関するまちづくり連携協定」を締結。3者連携によるまちづくりをこれまで以上に推進していく。大阪府立ち合いの下、締結式がコノミヤテラスで行われた。

 さらに、昨年から住民へのヒアリングを始め、「未来予想図づくり」のプロジェクトもスタート。今年4月には最初の未来予想図を作成した。「まちの新たな機能」「交通網の整理」「広場について」「子供たちの未来について」「多世代・多分野の交流について」の5分野で集まった意見を集約し、リーフレットにして住民に配布している。具体的には下に掲げたような意見が挙がっている。

未来予想図づくりに寄せられた主な意見(抜粋)(資料:「南花台みんなの未来予想図」ver.1を基に作成)
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 このほかにも、市道1号線の歩行者天国の実証実験、その沿道の用途についての規制緩和、公園の集約など、プロジェクトとして新たに取り組むべき課題はまだ残されている。未来予想図でも「1号線沿いを規制緩和し、多様なお店が立ち並ぶ通りにする」「小さな公園は周辺の住民で管理できるような菜園や農園にする」といった意見が出された。この未来予想図はこれで完成ということではなく、現在も住民の意見を継続して募集中だ。

「咲っく南花台プロジェクト」は、今年5月に開催された自治体総合フェア2018の協働まちづくり表彰で、優秀賞に輝いた
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 こうした様々なまちづくりの取り組みが評価され、「咲っく南花台プロジェクト」は、今年5月開催の自治体総合フェア2018(主催:日本経営協会)の「第10回協働まちづくり表彰」で優秀賞に輝いた。地元関西はもちろん、全国の自治体関係者にも注目されるようになったといえる。

 もっとも河内長野市にとって、南花台が「咲っく(Smart Aging City)」になればそれで終わりではない。周辺には再生に取り組むべき団地がいくつもある。河内長野市役所の二宮氏は、「南花台で得た成果を活用して周囲の団地の再生を図り、人口10万人規模の自治体を維持していきたい」と話している。