地主・家主向けに解体補助費

 市が空き家の活用に向けて2014年1月に最初に取り組んだのは、空き家バンクの運用と空き家バンクリフォーム補助金の交付である。

 空き家バンクは、所有者が登録した空き家の情報を地元の不動産仲介会社に提供し、その売却・賃貸に結び付けようとするものだ。市は栃木県宅地建物取引業協会との間で空き家バンク媒介に関する協定を交わし、その仕組みを整えた。

「あったか住まいるバンク」のウェブサイト。栃木市都市整備部住宅課長の大野和久氏は「登録物件が商品として魅力的に見えるよう、写真の撮り方や見せ方には気を配っている」と話す
「あったか住まいるバンク」の仕組み。リフォーム補助金(最大50万円)の交付対象は、同バンク登録物件で売買・賃貸借契約が成立してから2年以内に実施するリフォーム工事に限定される。それが、登録物件を増やすことにもつながっているとみられる(資料:栃木市)
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 登録された物件の売買・賃貸借仲介は、宅建業協会県南支部の会員で協力会社として手を挙げた不動産仲介会社が、協会側の推薦を受けて担当する。不動産仲介会社にとっては、結果報告を求められることを除けば、手続き面では中古流通市場での空き家・空き地の取引と大きく変わらない。

 空き家・空き地の売買・賃貸借を検討している人にとっては、市の仕組みだけに安心感を得られる。仲介業務をどこに依頼すればいいのか見当がつかなくても業界団体側から仲介会社を紹介してもらえるという点もメリットだ。

 しかも、空き家の所有者や利用者・利用希望者が「住まいるバンク」の登録物件でリフォーム工事や家財処分を行う場合、リフォーム工事で最大50万円、家財処分で最大10万円の補助金の交付を受けることができる。「住まいるバンク」限定の補助金だ。

 空き家の所有者である地主・家主向けのメリットも用意した。2015年4月には「空き家等の適正管理及び有効活用に関する条例」を施行したうえで、それに基づき最大50万円を交付する解体費補助金などの助成制度を新設したのである。