乾燥で汚泥処理コスト削減

 「逆潮ゼロ」のシステムでは、仮にメガソーラーからの供給電力が、下水処理場の需要を越えてしまった場合、メガソーラーの出力を抑制しなくてはならず、事業的に損失となる。そこで、今回のスマートコミュニティ事業ではメガソーラー電力の変動に合わせて需要を制御できる複数の仕組みを取り入れた(図4)。

図4●スマートコニュニティ事業のモデルイメージ(出所:IHI)
[画像のクリックで拡大表示]

 メガソーラーの発電電力は、自営線を通って、相馬市下水処理場の施設運営に使われるのが基本で、余剰電力は、「電気ボイラー(400kW)で蒸気」に、「水電解装置(400kW)で水素」として蓄えられる。蒸気はアキュムレーターに、水素はタンクに蓄えておく。また、グリーンエネルギーセンター内には、蓄電池(500kW・2.5MWh)を併設しているので、これも需給調整に活用できる。

 余剰電力を使って蓄えた蒸気は、今回のスマートコミュニティ事業で導入した下水汚泥乾燥設備の熱源に使う。従来、相馬市下水処理場では、処理に伴って排出される汚泥を産業廃棄物として外部の民間事業者に処理を委託してきた。汚泥乾燥設備によって、汚泥の水分を減らして5分の1に減量した上、造粒成形機でペレット化する試みも始めている。

 産廃処理料金は、容量で決まるため、5分の1に減量することで、処理費用が低減されるという。同下水処理場では、これまで下水汚泥の処理費用として毎年約4000万円を投じていたので、減量化効果でこれが数分の1に減ることになる。加えて、将来的にペレットをバイオマス燃料として販売できれば、収益源にもなる(図5)。

図5●下水汚泥を乾燥させる真空乾燥器(出所:日経BP)
[画像のクリックで拡大表示]