O&Mまでのリースで支出を抑える

 埼玉県下水道局では、太陽光発電所の開発に際し、発電設備とO&M(運用・保守)を含めたリース方式とし、初期投資の負担を回避した。さらにリースを委託する事業者には、一定以上の年間平均と年間最低の発電量の保証を求めることで、売電収入がリース代を下回るリスクを減らした。

 出力約1.9MWの中川水循環センターの発電所は、年間平均発電量が208万5000kWh、年間最小発電量が187万5000kWh、出力約1.8MWの小山川水循環センターの発電所は、年間平均発電量が190万3000kWh、年間最小発電量が171万kWhを見込んでいる。

 同局では、メガソーラーを設置した2カ所のほか、もう2カ所の水循環センター(古利根川水循環センター、荒川水循環センター)内でも、太陽光発電所を運営したいと考えていた。これらの合計4カ所の水循環センター内の土地について、2015年に太陽光発電所の開発とO&Mまで含めたリースを手がける事業者を公募した。

 このうち応札のあった中川と小山川の水循環センターの2カ所に、太陽光発電所を開発することになった。応札のなかった2カ所は、候補地の面積が小さく、事業性を満たしにくかったのではないかと推測している。

 水循環センターには、広い敷地があり、下水処理用の池や汚泥の焼却炉などの設備を備える(図2)。現在は、処理用の設備がない場所であっても、太陽光発電設備を設置できない場所もある。

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図2●広い敷地にさまざまな処理施設を備える
下の画像は下水処理用の池(出所:日経BP)
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 今後、下水の普及率の拡大が予想されている地域からの処理量の増加が見込まれる場合、下水処理用の池や焼却炉などを増やす可能性がある。

 こうした将来の下水の処理量の見通しについては、地域ごとの下水の普及率の上昇や、下水の接続流路などを想定しながら毎年、見直し、長期的に処理施設の増強などを計画している。

 メガソーラーを設置した中川水循環センター、小山川水循環センターにおいても、今後、新たな下水処理用の池や焼却炉の建設が予定され、かつ、20年間以内に着工する可能性のある場所には、太陽光発電設備を設置しないようにした(図3)。

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図3●メガソーラーの設置場所
上が中川水循環センター、下が小山川水循環センター(出所:埼玉県下水道局)
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 また、水循環センターの隣接地との間には緩衝帯が設けられ、背の高い木が植林されている。この場所にも太陽光発電設備を設置しない(図4)。

図4●背の高い木が植林されている緩衝帯
右に見える。発電設備を設置しない場所の一つ(出所:日経BP)
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 さらに、土壌汚染対策防止法や生活環境保全条例といった、関連する法や条例が定める範囲で施工し、メガソーラーを導入した。