周辺店舗のプロ技講座やブックストリートなど地域活性策も

 特定建築者となった大和リースは、地域の活性化施策にも力を入れている。「鈴蘭台駅前元気UPプロジェクト」として、2014年に関係各社・団体(大和リース神戸支店、JA兵庫六甲小部支店、神戸電鉄、神戸鈴蘭台郵便局、神戸市都市局、神戸市北区役所)と実行委員会を立ち上げ、周辺の店舗や住民が参加できるようなイベントや活動を運営してきた。

 駅ビルや周辺の店舗、銀行、医療機関などを200軒以上紹介するクーポン付きの無料ガイドブック「鈴蘭台のまち歩き」を配布したり、「鈴蘭台のまち学び」と題して、駅周辺の店舗も交えての講座を開催したりと、地域を盛り上げる活動を進めていった。「まち学び」では、無料で学べる様々なプロの技(例えば、コーヒーの美味しいいれ方や、夏の切り花を長持ちさせる方法など)の講座を一覧できるチラシも用意した。

クーポン付きガイドブック「鈴蘭台のまち歩き」(上)と「鈴蘭台のまち学び」のチラシ(右)(資料:神戸市)
クーポン付きガイドブック「鈴蘭台のまち歩き」(上)と「鈴蘭台のまち学び」のチラシ(右)(資料:神戸市)

 「SUZURANDAI BOOK STREET(鈴蘭台ブックストリート)」も地域主体のユニークな取り組みの一つだ。参加するカフェや雑貨店などが店頭に本棚を設置し、所蔵の本を貸し出すというもの。借りた本は参加拠点の本棚であればどこでも返却可能とするという取り組みだ。また、ベルスト鈴蘭台3階の「すずらん広場」には流行りの駅ピアノ(「ストリートピアノ」とも呼ばれる)も設置。誰でも弾けるようになっているほか、時にはここでライブイベントを行ったりもしている。

左写真は3階の「すずらん広場」。普段は休憩スペースだが、イベントにも使用する。誰でも自由に演奏できるピアノ(駅ピアノ)も置かれている。右は同広場に置かれているブックストリートの本棚(写真左:日経BP総研、右:大和リース)
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左写真は3階の「すずらん広場」。普段は休憩スペースだが、イベントにも使用する。誰でも自由に演奏できるピアノ(駅ピアノ)も置かれている。右は同広場に置かれているブックストリートの本棚(写真左:日経BP総研、右:大和リース)
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左写真は3階の「すずらん広場」。普段は休憩スペースだが、イベントにも使用する。誰でも自由に演奏できるピアノ(駅ピアノ)も置かれている。右は同広場に置かれているブックストリートの本棚(写真左:日経BP総研、右:大和リース)
音大出身の地元住民が、駅ピアノでコンサートを2カ月に1回程度開催している(写真:大和リース)
音大出身の地元住民が、駅ピアノでコンサートを2カ月に1回程度開催している(写真:大和リース)
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 大和リース神戸支店規格建築第二営業所の中塚徹営業所長は「元気UPプロジェクトに駅周辺の店舗が多数参加してくれていて頼もしい限りだ。ただ、区から助成金があるのは2019年度まで。2020年度以降の継続には原資が必要になる。2020年度以降は当社も実行委員会ではなくサポート役に立場が変わるが、地元の皆さんの活動を後押ししていきたい」と話す。

 現在は、地元の住民同士でプロジェクトの今後について意見を交わす会合が持たれているという。「会議は時間と場所だけを決めて、誰でも参加できるようになっている。プロジェクトを続けてほしいという声は多いので、地元で運営組織をつくれないか、検討を進めている」(中塚氏)という状況だ。

 一方、神戸市は、鈴蘭台エリアでの道路ネットワークの構築に引き続き取り組んでいく。特に、鈴蘭台幹線(駅前から北側の環状線と接するまでの540m)の整備(新設)を重点的に進める方針だ。

 また、鈴蘭台駅の北側には区役所の庁舎跡や、2018年に閉校した神戸市立兵庫商業高等学校の跡地があり、今後、活用の道を探っていく。商業高校跡地については2018年に現地見学会とサウンディング型市場調査を実施。サウンディングには5事業者が参加し、戸建て住宅やマンションといった住宅用途での活用を中心に提案があった。今後は「北区民まちづくり会議」との意見交換などを経て市が活用方針(案)をまとめる。

訂正履歴
初出時、ビル名称を「BELLST鈴蘭台」としていましたが正しくは「BELLST鈴蘭台・北区役所」でした。お詫び申し上げます。また、1ページ目の全体の完成イメージを最新のものに差し替えました。記事は修正済みです。 [2019/11/21 10:10]