マッチングでスタジオ、学習塾、シェア本屋が誕生

 大田区と東急の公民連携の中核を成すリノベーション事業では、今年8月以降、立て続けに3件の実績が生まれている。空き室などを活用して、多目的スタジオ、学習塾、シェア本屋がそれぞれオープンした。

2階にたくらみ荘が入居するビルの外観(写真:赤坂 麻実)
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 多目的スタジオの「つながるwacca」は、地元の不動産会社が借り上げていたビルの1階部分に開設された。不動産会社が直営のゲストハウスをコインランドリーに変更した際、余剰スペースが生まれたため、東急からリノベーションを提案した。コンペ形式で、事業候補者4者が事業内容や事業への思い、さらには賃料などの条件をプレゼンして選定に至った。選ばれたのは、介護福祉士の社交ダンサーと管理栄養士のヨガインストラクターの夫婦。つながるwaccaで、ヨガやペアダンスの講座、料理教室などの食育講座を開催している。

 学習塾を軸にしたシェアスペースの「たくらみ荘」は、乾物店「綱島商店」の2階に開業。運営するのはエイスクール(東京都文京区)だ。同社は小学生向けの「探究学習塾」を運営している。いわゆる進学塾とは性格が異なり、子どもたちがさまざまな仕事に挑戦しながら科目を横断して学ぶというものだ。エイスクールは以前からSANDOでポップアップ授業を行い、近隣の商店主を講師に招いた授業などで手ごたえを感じていたことから、このエリアへの本格進出を検討していた。シェアスペースの「たくらみ荘」では探究学習探究学習プログラムを実施に加えて、スペースの貸し出しも行う。

 シェア本屋の「ブックスタジオ」は、小さな本屋の集合体。設計事務所と動画配信スタジオが共同で運営する「ノミガワスタジオ」の一角に開業した。本棚の中の1区画ずつを個人や団体に貸し出し、各店主が自ら選んだ本を陳列して販売する。賃料は月額4000円。運営(実際の店番など)は当番制で、来店者や書店との間で、本を媒介にした交流が生まれる。池上エリアには約5年ほど書店がない状況が続いていたこともあり、エリア内の交流を促進する仕組みとして、東急がシェア本屋の導入を構想。吉祥寺で無人古本屋「ブックマンション」などを営む中西功氏に協力を依頼して実現した。

ブックスタジオは16区画から成る。一緒に写るのは、デザイナーの安部啓祐氏。安部氏はこのスタジオで動画配信スタジオ「堤方4306」を運営している(写真:赤坂 麻実、撮影は9月11日)
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ノミガワスタジオの入口。スタジオ名は、目の前に流れる呑川(のみがわ)から命名した。ノミガワスタジオは、設計事務所・スタジオテラの石井秀幸代表と安部氏が共同で運営している(写真:赤坂 麻実)
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