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事例研究

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直営図書館と地元スーパーを一体整備、安城市

中心市街地拠点施設「アンフォーレ」をPFIと定借で

茂木俊輔=ライター【2017.12.22】

図書館の集客力をにぎわい創出に生かす

 整備事業としては一体のものだが、事業方式は公共施設や広場・公園と民間施設で異なる。

 公共施設や広場・公園の整備にはPFI(民間資金を活用した社会資本整備)を活用(BTO方式)。清水建設、スターツCAM、三上建築事務所の3社が設立した特別目的会社(SPC)の安城情報拠点施設サービスが施設を建設し、事業期間である15年間にわたって維持管理業務を行う。施設整備費と維持管理費を合わせた総事業費は62億5320万円に上る。

安城市中心市街地拠点施設整備事業のスキーム。「施設整備費」と「維持管理費」は税抜き金額(資料:国土交通省「民間収益施設の併設・活用に係る官民連携事業事例集」)
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 一方、民間施設の整備には、定期借地方式を活用した。スターツアメニティーと清水建設が設立したSPCの安城民間収益サービスが市から用地約4400m2を平方メートル・月当たり300円で借りて施設を建設し、テナントに賃貸する。273台分整備した立体駐車場のうち200台分は、市が公共施設利用者用として確保し、年間約4500万円の使用料を民間事業者に支払う。事業期間は20年間だ。

 施設整備の狙いは、市街地中心部でのにぎわい創出だ。図書館、商業施設、ホールや広場で開催するイベント、それぞれが集客力を発揮し、互いに相乗効果を上げながらにぎわいを創出することが期待されている。

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左は公共施設の吹き抜け。設計を担当した三上建築事務所代表取締役の益子一彦氏は「建物がフロアで分断されることなく、どのフロアにいても全体を見渡せるように設けた」と、設計意図を説明する。図書情報館の利用者も1階エントランスで開催されているイベントの様子を感じ取ることができる。右は「でん」と呼ばれる広さ8畳(約13m2)ほどの空間。「にぎわい創出という大きな命題に応えようと、図書情報館の利用者の姿をまち中にも表出させることを考えた」と益子氏は話す。賑わいを促す空間的な仕掛けが施設各所で見て取れる(写真:2点とも茂木俊輔)

 背景には、商業地としての市街地中心部の落ち込みがある。1990年代後半には大型店が郊外に相次いで開業する一方、中心部に近いトポス安城店(旧ダイエー安城店)が閉店した。旧更生病院が2002年4月に郊外部に移転すると、来街者の減少に拍車が掛かり、2003年10月にはユニー安城駅前店も閉店に至った。

 こうした中で市が計画したのが、拠点施設の整備だ。現在、「アンフォーレ」の核とも言える、図書館、民間施設、広場の3つは、市が2008年3月に策定した中心市街地拠点整備基本構想の段階から、「整備する施設」として想定されていた。

 この当時から図書館が挙がっていたのには、理由がある。

 人口約18万8000人の安城市内の公共施設を見渡すと、中央図書館の入場者数は、安城産業文化公園「デンパーク」に次いで多い。2010年度の統計によれば、「デンパーク」は年間47万2000人、中央図書館は同44万2000人。それに続く体育館や文化センターが年間23万人台にすぎないことを踏まえると、公共施設として圧倒的な集客力を持つことが分かる。

 「その集客力を、にぎわい創出に生かそうという発想だ」。市市民生活部アンフォーレ課課長兼図書情報館長の岡田知之氏は説明する。

 中央図書館は当時、JR安城駅から車で10分ほどの郊外部に立地していた。開館したのは、1985年。市が2010年3月に策定した中心市街地拠点整備基本計画によれば、築25年ほど経過し、(1)市民ニーズに対応した新たなサービス展開が必要(2)蔵書収容能力の限界(3)閲覧席や書架の不足(4)受付カウンターの慢性的な混雑――など課題への対応も求められていたという。中心部への移転は、これらの課題に応える好機でもあった。

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