下の表は、中込会館におけるこの11~12月開催の主なイベントだ。くろさわ病院は、「カラダいきいき健康講座」を合計3回担当することになっている。佐々木氏は、「病院に隣接しているため、ほかの公民館より健康関係の催しを頻回に開催できる。これは集客の目玉の1つになり得る」と話す。ほかに30近い学習グループがあり、中込会館を活用して様々な活動を繰り広げている。

中込公民館における2018年11、12月開催の学習講座
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 健康講座の貢献もあってか、移転前の2016年度には1万人に届かなかった中込会館の年間利用者数は、2017年度には約2万1200人を数えるまでに増えた。2018年度もさらに伸びそうな状況だという。佐久市が病院と道路を挟んだ反対側に3階建ての立体駐車場を整備し、中込会館利用者も無料で利用できるようにしたことも利用者数の伸びに貢献していそうだ。佐々木氏は、「佐久市は会議室の1つを高校生などのための学習用のスペースとして開放したりして、若い世代にも親しみの持てる公民館づくりに努めている。くろさわ病院をはじめ、民間の知恵を大いに借りて、若い人を公民館活動に巻き込んでいきたい」と期待する。

食堂や売店は地元業者が運営

佐久市教育委員会社会教育部で佐久市中央公民館の事務長を務める佐々木和弘氏(写真左)と、佐久市役所市民健康部健康づくり推進課課長の渡辺孝治氏
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 では、佐久市の衛生行政の担当者は、医療施設によるまちづくりをどうみているのか。佐久市役所市民健康部健康づくり推進課課長の渡辺孝治氏は、「病院は人が集まるランドマーク的な存在になり、地域の活性化にもつながる。佐久市はもともと高齢者の就業割合が高い地域。ロコモティブシンドロームや転倒の予防を図って健康寿命を延ばし、併せて生きがいづくりを行っていけば、医療費抑制にもつながる」と歓迎する。

 くろさわ病院は移転前にも独自に夏祭りを開催するなど、地域活性化に取り組んでいたが、移転後は、地元との連携をより重視している。病院の1階には食堂と売店を設け、地元のスーパーに運営を依頼。全国チェーンのコンビニやカフェの出店が実現しなかったからでもあるが、地域との連携を深める契機となった。

 夏祭りは地元開催の七夕祭りに参加し、そこで骨密度や体組成の測定ができる健康チェックのブースを出展。さらに、商店街の若手店主の活動に恵仁会のスタッフも参加して意見を出し合った結果、「中込マルシェ」という地域イベントの開催にもこぎ着けた。手芸品などの販売や健康関係の催しなどを行うこの活動は、翌月開催された地元高校生による別のイベント企画を後押しすることにつながるなどの広がりを見せている。

院内のレストランと売店を地元スーパーが運営するなど、くろさわ病院は地域とも連携を図っている
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