大都市圏の学生を呼び込むには、企業だけの努力では限界

 公民連携インターンシップの仕掛け人である廣瀬氏はこう話す。
「⼤都市から学⽣を呼び込むには、企業単独の努⼒では限界がある。業務内容や企業のアピールだけでなく、企業も地域の一部だと捉えて、地域の魅力をアピールしていくがポイント。 仕事内容だけでなく、その地域の環境やライフスタイルに魅⼒に感じてもらうことが最初の⼀歩。西条市もIターンやUターンなど移住政策に力を入れている。そこで、西条市とコラボレーションして、学生たちに西条市の魅力を考えることで、会社だけでなく、地域の可能性や面白さを知ってもらいたいと思いました」

 西条市にもメリットが大きい。西条市役所産業振興課の曽我部智弥担当係長は
「インターンシップの内容に地域課題を学⽣に考えさせる要素があることから、若者⽬線による地域課題の解決に向けたヒントが得られるのではと考えました。また、西条市は近年、雑誌やテレビなど各種メディアから若者が住みたい田舎として高く評価され移住者が約3倍に急増していることから、さらなる地域の魅⼒発信につながることをメリットとしてとらえ連携しました。学生に西条市を知ってもらういい機会になったのと同時に、私たちも今の学生がどういう考え方を持ち、どう生活をし、インターンや就職活動にのぞんでいるのかを知ることができた」と話す。

 学生の貴重な生の声を届けることは、地元の中小企業の採用支援にもなる。5月頃に企画が立ちあがり、7月募集開始、8月に実施するというスピード感やフットワークも民間企業ならでは。また、
「地元の中小企業に行政と組んだインターンシップという事例を見せることができたのも大きい。今の若者はライフスタイルのありかたを大事にしている。これからも企業と連携しながら、西条市の自然豊かでアクセスもよいという魅力をアピールしたい」と曽我部氏。

SMIT社員がキャンプ地からインターンシップに参加、西条市の魅力をアピールした(提供:住友重機械イオンテクノロジー)
SMIT社員がキャンプ地からインターンシップに参加、西条市の魅力をアピールした(提供:住友重機械イオンテクノロジー)
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 廣瀬氏は「オンラインインターンシップというと、『味気なくつまらない』という印象を持つ学生が多いなか、参加した学生たちから『こんなに面白いインターンシップは初めて』と高評価をいただいた。民間企業が自治体と組んで行うことは、学生にとっても、その自治体や地域をより知ることができるというメリットがある。地方では民間企業も行政も県外からの人材獲得、地域への定着推進という同じ志を持っている。双方が協働し、全力で取り組まないと大都市圏相手に勝ち目はない。企業や自治体という枠組みを取り払って、みんなで西条を盛り上げていこうという動きを今後も加速していきたい」と言う。