静岡県牧之原市が2021年4月に開設した「図書交流館いこっと」(以下、「いこっと」)が好評だ。にぎわい創出機能と図書館機能を併せ持つ施設で、来館者はオープンから約4カ月で年間目標としていた5万人に達した。2022年1月にも10万人を突破しようという勢いだ。最大の特徴は、民間の建物の中にある図書館エリアと民間エリアとの境界に壁や仕切りを設けず、開放感のある一体的な空間としたことだ。

 牧之原市の「図書交流館いこっと」(以下、「いこっと」)があるのは、牧之原市の南側、大沢インターチェンジ付近である。スーパーマーケットやドラッグストアなどがある「ミルキーウェイショッピングタウン」の一角に建つ平屋建ての建物「ミルキーウェイスクエア」に入居している。

 ミルキーウェイスクエアは、テナントとして入居していたホームセンターが2019年夏に撤退した後にリノベーションし、2021年4月にオープンした。延べ面積約2378m2のうち、図書館部分は約3分の1(約815m2)を占める。建物はショッピングタウンのオーナー企業であるスーパーラック(牧之原市)が所有し、図書館部分については牧之原市が賃料を支払っている(詳細は後述)。図書館の運営は市の直営だ。

ミルキーウェイスクエアの館内マップ(資料:スーパーラック)
ミルキーウェイスクエアの館内マップ(資料:スーパーラック)
[画像のクリックで拡大表示]
「図書交流館いこっと」が入居するミルキーウェイスクエアの外観。以前はホームセンターが入居していた建物をリノベーション。2020年7月に着工し、2021年2月に完成した(写真:赤坂 麻実)
「図書交流館いこっと」が入居するミルキーウェイスクエアの外観。以前はホームセンターが入居していた建物をリノベーション。2020年7月に着工し、2021年2月に完成した(写真:赤坂 麻実)
[画像のクリックで拡大表示]

間仕切り壁なく公共と民間がシームレスにつながる空間

 ミルキーウェイスクエアは、建物内で図書館エリアと民間エリアとの間に壁や仕切りを設けず、開放感のある一体的な空間として整備したのが特徴だ。図書館の入り口部分から、中央部のオープンスペース(レンタルスペースを兼ねる)、さらにボルダリング施設などのある反対側まで見渡せる空間になっている。内装のデザインにも統一感を持たせることで、利用者は公・民の区別を意識することなく建物内を歩き回れるようになっている。

施設の中央、民間のオープンスペースから「いこっと」を見る。民間エリアのオープンスペースと図書館エリアとの間は壁で仕切られていない(写真:赤坂 麻実)
施設の中央、民間のオープンスペースから「いこっと」を見る。民間エリアのオープンスペースと図書館エリアとの間は壁で仕切られていない(写真:赤坂 麻実)
[画像のクリックで拡大表示]
写真手前の大きなテーブルがある辺りが「いこっと」の「交流・談話エリア」だ。「いこっと」から民間のオープンスペース、さらにその奥の店舗まで見渡せる一体的な空間となっている。床のモルタル仕上げや、上向きに設置した天井照明などを共通化しており、デザインに統一感、連続性を持たせた(写真:赤坂 麻実)
写真手前の大きなテーブルがある辺りが「いこっと」の「交流・談話エリア」だ。「いこっと」から民間のオープンスペース、さらにその奥の店舗まで見渡せる一体的な空間となっている。床のモルタル仕上げや、上向きに設置した天井照明などを共通化しており、デザインに統一感、連続性を持たせた(写真:赤坂 麻実)
[画像のクリックで拡大表示]