「メガソーラービジネス」2021年1月3日付の記事より

 内閣官房は12月24日、地域における「2050年脱炭素社会」の実現に向け、国と地方が協働する場として「国・地方脱炭素会議」を設置すると公表した。「2050年脱炭素」に向けたロードマップを作成し、国と地方の連携の在り方を検討し、取りまとめる。

 環境省が事務局となり、議長は内閣官房長官、副議長は環境大臣と総務大臣が務める。構成員は、内閣府特命担当大臣(地方創生)、農林水産大臣、経済産業大臣、国土交通大臣のほか、長野県知事、軽米町長、横浜市長、津南町長、大野市長、壱岐市長からなる。

岩手県軽米町の再エネビジョン
(出所:軽米町)
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 12月25日に第1回会合を開催し、今後の運営などに関して議論した。それによると、今後、構成員の各省庁と自治体が連携してロードマップ素案を作成し、2020年4月頃に開催する第2回会合で、素案について議論する。5~6月に開催する第3回会合では、ロードマップとその実施に向けた国と地方の連携策などをとりまとめるとしている。

 とりまとめの結果については、地球温暖化対策計画、長期戦略や成長戦略実行計画、地球温暖化対策推進法に基づく地方公共団体実行計画など、そのほか法制度などの各種施策に反映させるという。

 環境省は、ロードマップに関し、「地域の企業や自治体などが主体となり、地元の自然資源を活用して地域・環境と共生した再エネ電気や熱、水素などをつくり、利用するのが目的」としており、「ポテンシャルや環境保全の観点から再エネ立地に適する区域(ゾーニング)の自治体による設定も有効」としている。

「再エネエリア」のゾーニングも

 環境省は、すでに地球温暖化対策推進法の改正により、「2050年脱炭素」の法的位置づけとともに、地域の再エネ促進に向けた制度整備を盛り込むことを表明しており、自治体の再エネ開発に関して誘導的・規制的手法を導入する方針だ。加えて、「ゼロカーボンシティ」を目指す自治体に対して、再エネ強化を支援する政策パッケージを検討している。

環境省による「ゼロカーボンシティ」構想の流れ
(出所:環境省)
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 農林水産省も、農山漁村再生可能エネルギー推進法などによって、全国の農山漁村地域に再エネ導入目標を設定して、荒廃農地などを積極的に再エネ推進エリアとしてゾーニングしていく方向性を示している。

 また、経済産業省は、地熱や中小水力、バイオマス発電に関して、自家消費や自治体が関与しているなどのケースでは、大規模な太陽光への固定価格買取制度(FIT)適用がなくなる2022年4月以降も、引き続きFITで支援する方向を示すなど、地域と一体的な再エネ事業については、政策的に推進することにしている。

 経産省と環境省は2020年12月21日、両省で連携して「カーボンプライス(炭素の値付け)」手法を検討することを表明しており、炭素税や排出量取引という形でこれが実現すれば、再エネ利用の経済性が増すことになり、自治体主導による地産地消型の再エネで地域経済が発展する余地が生まれる。

 菅総理大臣の「2050年カーボンニュートラル」宣言を受け、関連省庁が連携して、地域主導による再エネ導入を進める体制が整いつつある。

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