国交省が示す「居心地が良く歩きたくなるまちなか」のイメージ。4つのキーワードを掲げている(資料:国土交通省)
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プログラムでは、「国による『10の施策』」と対応させて関連施策をとりまとめている(資料:国土交通省)
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 国土交通省は12月20日、車中心から人中心となる「まちなか」の形成を目指し、市町村、民間事業者、産官学などの多様な主体による取り組みを推進するための「まちなかウォーカブル推進プログラム」を策定、公表した。国交省の2020年度予算案や税制改正案、検討会・懇談会、作成予定の事例集やガイドラインなどの計画から、「居心地が良く歩きたくなるまちなか」の形成に関連するものを抜き出し、とりまとめたものだ。

 プログラムでは、「居心地が良く歩きたくなるまちなか」づくりのキーワードとして、「Walkable(歩きたくなる)」「Eye level(まちに開かれた1階)」「Diversity(多様な人の、多様な用途・使い方)」「Open(開かれた空間が心地良い)」の4つを挙げている。これらは、街路に面した民有地を広場にするなど公共空間化するほか、店舗やオフィスなどの建物の低層部を、リノベーションによりガラス張り化するなどして解放し、また、街路自体も広場化して、歩きたくなる空間や滞在環境を整備する――といったイメージを表している。これらを実現するために、財政・税制・金融などの面で支援を行う。

プログラムで示された2020年度の税制改正案(資料:国土交通省)
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プログラムで示された2020年度の予算案(資料:国土交通省)
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プログラムで示された2020年度に検討予定の検討会・懇談会、ガイドラインなど(資料:国土交通省)
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 国土交通省では2019年6月、「都市の多様性とイノベーションの創出に関する懇談会」(座長:浅見泰司東京大学大学院工学系研究科教授)による提言「『居心地が良く歩きたくなるまちなか』からはじまる都市の再生」を取りまとめた。今回のプログラムは、この提言の中の「国による『10の施策』」に対応させて整理している。

 2020年度の税制改正では、「居心地が良く歩きたくなるまちなか」創出のための特例措置を創設。道路や広場の土地とその上に設置した芝生・ベンチなどの施設の固定資産税(土地・償却資産)・都市計画税(土地)、および、建物1階部分のオープン化改修に対する固定資産税・都市計画税優遇措置を設ける。

 予算措置としては、「歩きたくなるまちなか」形成に関する支援、オンリーワン都市再生への支援、官民連携まちづくり活動への支援の3つの領域に分け、各種の支援策を盛り込んでいる。

 「歩きたくなるまちなか」については、既存ストックを活用した修復・利活用を支援する「まちなかウォーカブル推進事業」や、都市機能誘導区域・居住誘導区域に隣接する水辺とまちが融合した良好な空間形成を支援する「都市構造再編集中支援事業」などを新設し、公共空間の修復や改変への支援を行う。

 オンリーワン都市再生に対しては、「スマートシティ実証調査」など、都市の魅力を高めるための調査への支援を拡充する。官民連携まちづくり活動については、エリアプラットフォームの形成や未来ビジョンの策定などを支援する「官民連携まちなか再生推進支援事業」の新設、「まち再生出資事業」の継続など、各種支援の新設や拡充が記載されている。

 このほかに今後の予定として、各種検討会・懇談会の開催、まちなか空間の創出やまちづくりに関する各種事例集の作成、取り組みを推進するための各種ガイドラインの作成を挙げている。ガイドラインとしては、「都市とイノベーションの関係把握及び指標」「まちなかにあるストリートの居心地の良さを測る指標(仮称)」など7つを提示している。

 同時に、提言に賛同し、共に取り組みを進める「ウォーカブル推進都市」として、全国202自治体(12月13日現在)も公表。これらの自治体をパートナーとして、まちなか整備の施策を推進していく考えだ。なお、「ウォーカブル推進都市」は随時募集受付中だ。

この記事のURL https://project.nikkeibp.co.jp/atclppp/PPP/news/010501402/