「メガソーラービジネス」2020年1月1日付の記事より

 再生可能エネルギー・固定価格買取制度(FIT)の調達価格(買取価格)を討議する調達価格等算定委員会の会合が12月27日に開催され、「地域活用電源」と認められるための要件や施行時期などに関して、事務局(経済産業省)案を提示した。

 経産省が検討しているFITの抜本的な直しでは、再エネを「競争電源」(大規模太陽光、風力)と、「地域活用電源」(小規模太陽光、小水力、小規模地熱、バイオマス発電)に分け、前者はFITからフィード・イン・プレミアム(FIP)による市場取引ベースに移行しつつ、FIT電源に認められているインバランス特例を廃止する。一方後者は、地域活用要件を満たした場合に、従来通りFITで支援する、という枠組みになる。

 地域活用要件は、低圧事業用太陽光(10kW以上50kW未満)については、自家消費型(余剰売電)かつ災害時に活用できること、50kW以上の小規模太陽光、小水力、小規模地熱、バイオマス発電については、「地域一体型」という方向性が示されていた。

地域活用要件の考え方
(出所:経産省)
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 今回、事務局は、自家消費型に求める「自家消費比率」については、「30%以上」を要件として認定するとしつつ、FITの調達価格(買取価格)を設定する想定値は「50%」とする案を示し、委員から了承を得た。

 これにより、地域活用要件を2020年度(2020年4月)以降の新規認定案件から適用する低圧事業用太陽光については、「自家消費率30%以上」の屋根上太陽光などの需要地設置タイプか、10年間の一時転用を認められた営農型に限定してFITを適用するという運用になる(いずれも災害時活用も条件)。営農型については全量売電も可能になる。

高圧太陽光の地域活用要件は?

 また、「地域一体型」の要件に関しては、レジリエンス強化の観点から、(1)停電時の電気利用を自治体の防災計画に明記(2)地域マイクログリッド(既存系統を緊急時にオフグリッド化)、(3)熱電併給――のいずれかのほか、自治体が実施する案件や直接出資するプロジェクトについては、「地域一体」として地域活用電源として認める方向を示した。

 施行時期については、2020年度から前倒し適用する低圧事業用太陽光のほかは、2022年4月を原則とした。その上で、小水力、小規模地熱、バイオマス発電については、リードタイムが長いことから、今回、地域活用要件を求める可能性がある規模を示した。小水力は1MW未満、地熱は2MW未満、バイオマス発電は10MW未満とした。

 一方、50kW以上の高圧連系する小規模太陽光に関し、地域活用電源となる可能性のある規模については示されなかった。事務局では、太陽光については、リードタイムが短いため、今後さらに時間をかけて、地域活用電源の在り方を検討していくとしている。

 今後、50kW以上の高圧太陽光に関して、レジリエンス機能や自治体の実施・出資によってFITを適用する規模を、何kWまでとするのか、検討されることになる。また、その出力範囲の太陽光が「地域一体型」と認定されなかった場合、FIPで政策的な支援が受けられるのか否かも、検討の対象となる。ただ、この点に関しては、すでに委員から質問があり、「50kW以上の小規模高圧太陽光で、地域活用要件に該当しない場合、FITでなくFIPで支援していくと考えるのが自然」(事務局)との見解が示された。

 ただ、50kW未満の低圧事業用太陽光に関して、自家消費型でない野立て型全量売電の案件が、FIP開始後に、その対象となるのか否かに関しては、「2020年度以降、政策的な支援を打ち切った低圧・野立て(全量売電)型太陽光が、FIP開始を機に再度、支援対象に戻すという流れは、通常は考えにくい」(事務局)としている。

この記事のURL https://project.nikkeibp.co.jp/atclppp/PPP/news/010801405/