大阪府茨木市は、府が同市内に建設を進めている安威川(あいがわ)ダムの周辺で、PPPによる事業実施を予定している。スポーツ、観光、レクリエーションを中心とした地域振興の拠点整備を目指し、プロポーザル方式で事業者を募集中だ。公募への参加手続き期間は2月10日~21日、提案書の提出期間は4月17日~30日。

安威川ダムの位置図(資料:茨木市)
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 安威川ダムは、茨木市の中心市街地から約7km、大阪市内からも車で1時間圏内の場所にある。市は、ダムにより生まれる湖面と周辺の渓流や里山、棚田を生かし、交流人口の拡大につながるスポーツ、観光、レクリエーションの拠点を整備する計画だ。施設のイメージとして、キャンプ場などの宿泊機能を持つ施設、デイキャンプや森林アスレチックなどが可能な親水公園、ダム湖の両岸をつなぐスカイウオーク(つり橋)、レストランやカフェなどを挙げている。

 整備するのは都市公園法に定める公園施設で、市が所有する公共施設としての公園施設と、民間事業者が所有する民間施設としての公園施設の両方を事業区域内に設ける。民間事業者は、市の公園施設の整備と完成後の管理運営、および民間の公園施設の設置と管理運営を担う。

 事業スキームとして、公共施設部分は設計・施工の一体発注(DB方式)と、指定管理者制度による管理運営を想定。民間施設部分は、都市公園法に基づく設置管理許可制度により、民間事業者が自ら設置して管理運営まで担う。民間事業者はエリアマネジメント組織を組成し、この組織が、両公園施設の一体的な管理運営と、ダムの周辺も含めた地域のプロモーションやまちづくり活動も行っていく。将来的には、この組織が事務局となり、自治体や民間事業者、地域団体などで構成される広域のエリアマネジメント組織を組成し、市の北部地域の活性化に取り組むことも想定している。

 整備は、事業区域全体を「ダム湖上流エリア」、ダム湖と水辺からなる「ダム湖およびダム湖内平たん地エリア」、ダム湖の両岸を結ぶ空中部分である「ダム湖上空エリア」、ダム湖に隣接する「ダム湖隣接平たん地エリア」の4つに区分して実施する。公共の公園施設整備は4エリアすべてで行う必要があり、各エリアの特性を活かした公園の提案を求めている。民間の公園施設については、「ダム湖上空エリア」「ダム湖隣接平たん地エリア」は必須、残り2エリアは任意となっている。

 「ダム湖上空エリア」では、民間の公園施設としてダム湖両岸を渡る歩行者動線(吊り橋など)を確保することを要件としている。「ダム湖隣接平たん地エリア」では「ダム湖上空エリア」に通じる通路の整備を民間の公園施設として提案することを必須としている。

事業区域内の4つのエリア(資料:茨木市)
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「民間事業者(2社)が共同で提案。事業者間で調整し、収益事業と公園の管理運営を実 施/民間事業者(2社)が公園を包括的に管理運営するためのエリアマネジメント組織Ⅰを 設立/設置管理許可により、民間事業者が個別に民間施設を設置」という条件下での運営スキーム例(資料:茨木市)
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 公共施設部分の整備にかかる費用として市が提示している予算は10億円。事業期間は20年間を目安とする。また、上記の内容に加えて、市北部地域の振興に資する取り組みを継続的に実施することも期待されており、地域内の雇用創出や地産地消、回遊性を高める取り組みなど多様な提案を求めている。

 民間事業者は、事業コンセプトや事業実施体制のほか、各エリアの民間施設については機能・施設の内容や来訪者を集めるための運営上の工夫を、公共施設については整備内容や整備費、施設の管理運営方法を、エリアマネジメントについては参加事業者の役割や事業収支計画、活動内容、北部地域振興への取り組みなどを、それぞれ提案する。

 今後のスケジュールは、2月10日~21日に参加申請を行った後、4月17日~30日に所定の提案書類を郵送または持参で提出し、事業候補者の決定は5月を予定している。なお、市は現地見学に随時、対応しており、見学を希望する場合は公募事務局に連絡する。

 公園施設の設計・施工は21年4月に開始し、供用開始は23年秋頃となる見込み。ダムは、本体工事が22年春に完了し、試験湛水を経て23年春の供用開始を目指している。

訂正履歴
初出時、本文中一部、「上空エリア」を「上流エリア」と記していました。お詫び申し上げます。記事は修正済みです。 [2020/1/22 9:40]