バスの乗降場所は65カ所設定(出所:宗像市)
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 福岡県宗像市は3月1日から2年間、AI(人工知能)を活用したオンデマンドバスの実証運行を実施する。オンデマンドバス「のるーと」は乗車定員8人の乗合バス。時刻表や決まった運行ルートがなく、AIを活用し、予約状況に応じてルートを決定しながら運行する。運行主体者は宗像市、運行事業者は新星交通と宗像西鉄タクシーの2社。

 宗像市では現在、市内の主要な移動を西鉄グループが運行する路線バスが担っている。加えて、市が運行主体者であるふれあいバスとコミュニティバス、事業者によるタクシーがある。近年、路線バスは利用者の減少に伴い赤字運行に陥り、運転手も不足して、減便や廃止が発生している。2021年4月からは日の里地区を運行する路線バスの廃止が決定しており、市では地元住民の代替交通手段を確保するため、オンデマンドバス「のるーと」の実証運行を決めた。「のるーと」は福岡市東区のアイランドシティエリアですでに運行されている。

 運行エリアは、日の里地区内、宗像ユリックス、にしてつストアレガネット東郷店、宗像医師会病院。バスの乗降場所は、大通り沿いや住宅地内に65カ所設定する。月曜から金曜の午前6時から午後9時までは2台、土日祝は午前6時から午後6時まで1台運行する。

 利用するには、まずアプリか電話で配車を予約する(乗降場所を申し込み)。指定された時間に乗車するとき、運転手に予約番号を伝え、運賃は現金か交通系ICカード、クレジットカードで支払う。乗車すると目的地に向かい、途中で他の利用者が乗降しながら、それぞれの目的地へ移動する。AIが作成した効率的なルートを運行する。

 オンデマンドバスは、利用者にとって、乗りたいときに予約してバスを呼ぶことができる、効率的なルートで運行するため待ち時間や移動時間を短縮できる、ミニバスなのでこれまで乗り入れ困難だったエリアでの乗降が可能になるといったメリットがある。運賃は大人200~400円で、路線バスとタクシーの中間にあたる。運行事業者にとっては、効率的な運行により経費の削減や、普通二種免許で運転できるために運転手不足の解消につながる。また、自治体にとっても、運行経費の削減が見込まれる。

 宗像市は「オンデマンドバスは利用者、運行事業者、地方自治体の3者にメリットがある乗合バスサービスだと考えている。2年間の実証運行で効果を検証し、時代の変化に即した未来型の公共交通を目指していく」とコメントしている。