東京都渋谷区は、Park-PFI(公募設置管理制度)を活用して、渋谷区恵比寿南にある街区公園、恵比寿南一公園の改良事業を実施する。渋谷区は、子どもの外遊びに対する理解向上への取り組みと遊び場の整備充実を進めており、同事業もその一環で、子どもが自然の中で自由に遊べる「プレーパーク」として整備する計画だ。

 恵比寿南一公園は、JR線の線路をはさんで恵比寿ガーデンプレイスと隣接する場所にあり、広さは約2017m2。同事業では、Park-PFIにより飲食、売店などの収益施設を設置するとともに、特定公園施設としてプレーパークに適した園路や広場などを整備する。これらの施設の整備と整備後の管理運営を行う事業者を、プロポーザル方式で公募する。プロポーザルへの参加を希望する事業者は、1月22日12時までに持参または郵送で参加申込書など必要書類を提出する。審査を経て3月19日に事業予定者を選定する予定だ。

恵比寿南一公園で実施された出張プレーパークの様子(資料:渋谷区)
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 渋谷区では現在、区立はるのおがわコミュニティパークを拠点として実施している冒険遊び場(渋谷はるのおがわプレーパーク)の事業を他の公園にも拡大していく方針だ。恵比寿南一公園では、冒険遊び場事業について業務委託している「渋谷の遊び場を考える会」による「出張プレーパーク」が年4回ほど開催されている。

 Park-PFIを活用する今回の改良事業は、民間事業者が、公募対象公園施設として飲食、売店などの収益施設を新たに設置するとともに、特定公園施設としてプレーパークに適した園路や広場などの施設を整備し、整備後は、指定管理者として公園の管理運営やプレーパークの運営を行うという内容だ。事業期間は20年間、指定管理期間は5年間で、5年ごとに公募を行う。

 具体的に、民間事業者が担う事業は、公募対象公園施設と利便増進施設、特定公園施設の整備と管理運営で、利便増進施設は、地域のための自転車駐車場、地域の催しに関する情報を提供する看板をさす。公募対象公園施設と利便増進施設は、民間事業者の費用負担で整備し、特定公園施設は、民間事業者の費用負担で整備後、区に譲渡する。ただし、公募対象公園施設の収益還元により、特定公園施設の整備と整備後の維持管理に要する区の費用負担は、できるだけ低減するものとする。

 各施設の詳細の条件は、「恵比寿南一公園改良整備事業 公募設置等指針」に定められている。今回の改良の中心となる特定公園施設については、既存遊具は撤去し、プレーパーク部分、園路、樹木・植栽、ベンチ、多目的スペース、トイレ、照明施設・サインなどを整備するほか、地盤整備も行う。

プレーパークとしては、自由な遊びやチャレンジができる環境、五感を使って自然と触れ合える環境、道具を使ってものづくりが体験できる環境をつくる。具体的な遊びや利用の方法としては、水遊び、木工制作、木登り、ロープ遊具などで遊ぶほか、花壇で植物を育てたり、土を盛ったり掘ったりすることを想定している。手や足、道具を洗う広めの水場、プレーリーダー用の事務所、道具類を収納する資材倉庫の設置も必須としている。

 これらを踏まえて、提案時には建設費用の見込み額、公募対象公園施設と利便増進施設から見込まれる収益などで充当される額、差し引きで区に負担を求める額を提示する。指針で提示されている区が負担する費用の上限は2000万円だ。

 公募対象公園施設は、特定公園施設やプレーパークと親和性のある施設とし、これらの価値を最大限に発揮できる施設の配置計画となる提案を求めている。また、公募対象公園施設は、設置許可を得て面積に応じた使用料を渋谷区に支払う必要があり、区は、使用料の最低額として1m2あたり年間3万3480円(月2790円/m2)を提示している。

 管理運営については、地域の価値向上や交流を促進する提案をする。イベントなどについては具体的な取組とその効果を提案するほか、地域の多様な主体が参画できるパークマネジメントの仕組みの提案も求めている。管理運営費用は、参考値として、現在、区が負担している管理運営費用、年間約400万円に、プレーパーク運営費相当として年間1300万円を上乗せした年間1700万円(いずれも消費税含む)を提示している。

 これらの条件を基に提案を行う。プロポーザルに参加できるのは、恵比寿南一公園の再生方針の実現に資するノウハウやスキルを持つ法人、および法人のグループだ。同事業は公園再生にとどまらず、地区周辺のまちづくりにも波及するため、都市計画・都市開発分野に関するエリアマネジメントの実績も必須としている。