松山市は、2014年11月から中央商店街周辺(湊町3丁目)で実施してきた「中心市街地賑わい再生社会実験事業」の活動拠点を2019年1月20日、近隣の花園町(花園町4丁目)へ移転した。今後は新拠点で中心市街地の賑わいを生み出す新たな社会実験を展開する。

松山市は中心市街地のにぎわいを再生するため活動拠点を移転する(資料:松山市)
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 この社会実験は、郊外化が進んだ松山市の中心市街地への来街者が減少していることなどを受け、商店街を含むまちなかに休憩スペースやイベントスペース、交流・情報発信の場を設けることで賑わいと回遊を取り戻そうとする試みだ。社会実験は松山アーバンデザインセンター(UDCM)が受託し、公民学が連携して取り組んでいる。

 湊町3丁目の旧活動拠点では、コインパーキングだった土地を屋外型の広場「みんなのひろば」へ、ビル1階の空き店舗を多目的スペースも兼ね備えた屋内型休憩所「もぶるテラス」へと整備。市民参加のワークショップやイベント、情報の発信、まちづくりの研究会や会議などを開催し、公民が連携したまちづくりを推進した。

湊町3丁目の旧活動拠点にあった「みんなのひろば」(左)と「もぶるテラス」(資料:松山市)
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 約45カ月間の社会実験期間中の延べ利用者数は「みんなのひろば」が約21万7000人、「もぶるテラス」が約8万7000人で、周辺の人通りは整備前と比べ3倍以上増加した。周辺の商店街にも休憩や賑わいスペースが整備されるなど、一定の成果が認められたとの判断から、市は同所での事業を終了し、2019年1月20日からは2018年9月に整備された花園町の施設に拠点を移転し、新たな社会実験を展開する。

 新拠点は、ビル1階の駐車場だったスペースを借り上げ、リノベーションして開設する。利用時間は平日10時~19時、休日10時~18時で、受付スタッフ1、2名が常駐する。施設内には打ち合わせスペースのほかテラススペース、洗面所、多目的トイレ、中庭などを備える。

花園町に移転する新たな活動拠点(資料:松山市)
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新たな活動拠点の模型(資料:松山市)
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 新拠点における事業の柱には2つ。「まちづくり活動の支援」では、まちづくりや暮らしに関する図書貸出・チラシ設置、周辺情報案内の展示、市民活動や交流を促すプログラムの実施、個人・団体・店舗主催プログラムの支援を実施。「公共空間の活用」では、公共空間を活用した賑わいづくり手法の実践・検証、ノウハウ蓄積・普及啓発を想定する。施設利用者数、プログラム参加者数、プログラムや街路活用事例の件数などの効果検証を行う。

 新拠点でのオープンイベント「こたつ deみかん」を2019年1月20日に実施する。同日に同エリアで開催されるイベントと連携し、「UDCM特製こたつ」を設置し絵本の読み聞かせなどを行うほか、施設の設計担当による内覧会も開く。