575の自治体が参加する「2020年東京オリンピック・パラリンピックを活用した地域活性化推進首長連合」(以下、首長連合)とワンテーブル、ラカラジャパンは、2019年2月から首長連合の参加団体に向けて訪日外国人によるインバウンド消費を取り込むための『インバウンド×キャッシュレス地域経済活性化最先端モデル事業』を開始する。

 第一弾として、Alipay、WeChat Payなどの中国系QRコード決済(キャッシュレス決済)サービスに対応するモバイル決済端末や決済用QRコードを、モデル地域に選定した10市町村内の小売店や飲食店、観光施設などに無償提供する。主に、QRコード決済が広く普及している中国からの観光客を対象に、日本国内で買い物をする際の利便性を高める狙い。インターネット通信環境がない店舗でも、決済用QRコードを店頭に掲示しておけば簡単に決済できる。

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QRコード決済サービスに対応したモバイル決済端末(左)と決済用QRコード(右)
出所:2020年東京オリンピック・パラリンピックを活用した地域活性化推進首長連合、ワンテーブル、ラカラジャパン

 モデル地域としてモバイル決済端末やQRコードを導入するのは、山形市、福島県郡山市、新潟県三条市、同弥彦村、静岡県三島市、同伊豆市、愛知県蒲郡市、三重県菰野町、大阪府泉佐野市、福岡県大川市。決済額の0,1%は自治体または地域の企業、団体等に還元される(中国系決済サービスの利用時のみ)。このほかにも導入を希望する市町村を募集し、20程度の市町村をモデル地域に選定して決済端末やQRコードを無償提供する。それ以外の市町村には有償提供となる。

 賛同企業との連携により、モバイル決済端末で扱える決済サービスを段階的に増やしていく予定だ。今年2月末に国内QRコード決済サービス(NTTドコモのd払いなど)、今春にクレジットカード、6月頃にフェリカ系電子マネーなどに対応していくという。

 この事業では、市町村への誘客も支援する(図1)。中国のSNS/インスタントメッセンジャーアプリ「WeChat」を通じて、ラカラの企業アカウントのフォロワーに市町村の情報を配信するほか、訪日外国人の誘客や接客の仕方が分からない店舗・施設向けに、受け入れ体制の構築や商品・観光資源の開発などを支援する。

インバウンド誘客支援の全体像
出所:2020年東京オリンピック・パラリンピックを活用した地域活性化推進首長連合、ワンテーブル、ラカラジャパン
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 事業全体の企画・プロデュースは、宮城県を拠点に食文化創造事業や備蓄・防災事業を展開するワンテーブルが担う。ラカラジャパンは、年間流通総額72兆円という中国の電子決済事業者としてインバウンド向けの電子決済サービスを提供する。