東京都は、PFI方式で新たに水族園を建設する葛西臨海水族園(江戸川区)の整備事業の入札を2022年1月12日に公告した。事業期間は契約締結日から2048年3月末までの約25年間。都は、この期間のサービス対価の上限として432億1705万円(消費税込み)の予定総額を示した関連記事。新水族園は、2022年12月~2027年9月に設計・建設を行い、開業準備を経て2028年3月に供用を始める予定だ。

 今後は、入札説明書に関する質問・回答、対話の実施など公表を経て、2022年3月16日に入札参加資格の確認結果を通知する。4月4日~6日に入札参加者との対話を実施。入札書類の受け付けは6月23日。8月中旬にヒアリングを行い、8月25日に開札して落札者を公表する。9月上旬に審査講評を公表した後、9月中旬に基本協定、12月に事業契約を結ぶ。

計画敷地範囲図(資料:東京都)
計画敷地範囲図(資料:東京都)
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 予定総額の内訳は、施設整備業務が290億5370万7000円(消費税込み)、開業準備業務および維持管理業務が141億6334万3000円(同)。予定総額と内訳額のうち1つでも超過した入札参加者は入札無効となる。

水槽を眺めながら食事できるレストランも

エリア構成の要求水準。合計面積は±5%程度を増減の許容範囲とするが、各エリアの整備面積や諸室の規模については参考値で、要求水準を満たす限り制限しないとしている(資料:東京都)
エリア構成の要求水準。合計面積は±5%程度を増減の許容範囲とするが、各エリアの整備面積や諸室の規模については参考値で、要求水準を満たす限り制限しないとしている(資料:東京都)
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エリア構成イメージ図(資料;東京都)
エリア構成イメージ図(資料;東京都)
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 事業者の選定には総合評価一般競争入札方式を採用する。審査は、入札参加資格の確認と提案審査の2段階で実施。提案審査は1000点満点で、内訳は価格審査点が300点満点、加点審査点が700点満点。加点審査は、技術審査委員会(委員長:倉渕隆・東京理科大学工学部建築学科教授)が行い、審査項目では「平断面計画」「展示計画」「設備計画」「環境負荷軽減計画」の配点が各70点で最も高い。

 このうち展示計画の審査の視点としては、「展示水槽の周辺にスタッフが解説を行うスペースが確保され、音声や画像等によるガイダンス、可動式の小型水槽を用いた解説などができる設計となっているか」「映像、ICT等の分野における最先端の技術の活用や、光、音、風、香り等の演出により展示計画を最大限実現する空間づくりを目指しているか」などを挙げている。

 要求水準書には、レストラン・カフェの内容として、「展示水槽を見ながら食事ができるなど水族園の魅力を生かすとともに、来園者の観覧に支障とならないよう、設置スペースおよび運営時間等に配慮すること」「一部のメニュー開発に当たっては、新水族園の飼育、展示を行う専門家からの意見を聞き、新水族園のコンセプトに合致したものを提案すること」などと記載。メニューの例として、海洋資源保全に配慮した食材を使うなど食育につながるものや、飼育生物を連想させるデザインを挙げる。出入り口や配置を工夫して、新水族園の利用者以外も使えるようにすることも求めている。