栃木県鹿沼市は、市が保有する305の施設と19の土地を活用した事業提案を募集している。市が2018年度に設けた「公共施設等民間提案制度」に基づき、市有財産を活用した事業を募り、事業を通じた行政サービスの向上や、地域の活性化、財政負担の軽減を目指す。

 従来、同制度により採用された提案は、内容に応じて随意契約、プロポーザル、入札のいずれかで事業者を決めていたが、2019年2月より一部制度を変更。採用した提案は提案事業者と随意契約を結ぶこととなった。

民間提案制度による事業化までの流れ(資料:鹿沼市)
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 主な提案募集対象は、2020年度までに建て替えや大規模な改修、廃止が決まっている施設や、売却・譲渡の対象となっている施設だ。鹿沼市では、「特に提案いただきたい施設」として、閉校施設(旧上粕尾小学校、久我小学校の2校)、保育園跡地5施設、3つの市営住宅などを具体的に挙げている。

■市が「特に提案いただきたい」閉校施設
旧上粕尾小学校。2017年3月に粕尾小学校に統合された(写真:鹿沼市)
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2019年3月で閉校となる久我小学校(写真:鹿沼市)
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 民間提案制度で鹿沼市が募集する内容は、提案者自らが行う事業であり、事業を通じた行政サービスの向上、行財政の効率化または地域の活性化の効果があるもの。提案をした事業者は、公共施設活用課に相談し説明を受ける。相談を通じて内容が具体化した時点で、事業者は提案書を市に提出。市は提案書の提出後、おおむね4カ月以内に評価結果を事業者に報告する。提案の採否は、提案内容のヒアリングを経て、「民間提案評価委員会」での協議を踏まえて決定する。採用の場合、市は提案者を優先交渉権者とする協定を締結し、事業化に向けた詳細協議を実施。協議が成立すると事業化を決定し、提案者と随意契約を締結する。提案は随時募集している。適した活用法がない場合、建物の解体や土地を売却するなどの処分対象になる。

 鹿沼市の担当者は「実際に制度を運用してみて、随意契約でないと事業者からの次の提案につながらないと考えた。また、これまで採用した提案は、採用した事業者でしか実現できないような、随意契約に相当する内容のものだった」「学校が閉校となった地域は人口減少が著しく、新しい企画を提案しても事業の継続が難しい。民間企業からの提案に対応することで新しい『PDCAサイクル』を生み出したい」と話す。

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