日立製作所や茨城交通、茨城県などが参画する日立市新モビリティ協議会は2月3日〜28日に、MaaS(Mobility as a Service)の実証実験を行う。日立グループ社員を対象に自宅付近で乗り降りできる通勤バスを走らせる「通勤型デマンドサービス」、バス停と自宅の間を送迎する相乗りタクシーを運行する「ラストワンマイル型デマンドサービス」に取り組む。MaaS導入による公共交通機関の利便性向上を目指す取り組みだ。

 日立市新モビリティ協議会(以下、協議会)は、茨城交通(茨城県水戸市)、電鉄タクシー(茨城県日立市)、みちのりホールディングス(東京都千代田区)、日立製作所(東京都千代田区)、茨城県、日立市、常陽銀行、茨城大学で構成される。今回の実証実験には茨城交通、みちのりホールディングス、日立製作所に加え、MaaSアプリの開発に関してナビタイムジャパン(東京都港区)も参加している。

 実証運行に先立ち、1月28日にMaaSアプリ「Hitachi City MaaS Project」をリリースした。このアプリで茨城県内の交通手段を一元的に検索できるほか、実証運行する通勤バスと相乗りタクシーの予約、アプリ限定の「日立市内バス一日乗車券」の購入(2月中旬以降)ができる。協議会はダウンロード数を500件程度と想定している。

「Hitachi City MaaS Project」の画面仕様(資料:みちのりホールディングス)

 通勤型デマンドサービスのバスは、勝田・東海エリアと日立製作所の事業所と日立研究所を結び、朝夕1便ずつ運行する。ルート上にオンデマンドバス停を多数設置しており、利用者は自宅の近くで乗降できる。利用者はアプリから乗降を希望するバス停を指定して予約し、バスは予約のあるバス停のみに停車する。運賃は片道500円で、アプリ上で決済する。

ラストワンマイル型デマンドサービスでは、茨城交通のバス停「大沼BRT」の利用者を対象にタクシーを運行し、バス停から半径約1km圏内の無料送迎を行う。予約が複数入れば相乗りとなる。利用者はアプリ上の地図で乗降場所を指定して予約する。

日立地域MaaSの概要(資料:みちのりホールディングス)

 この実証事業は国土交通省「新モビリティサービス推進事業」と経済産業省「スマートモビリティチャレンジ」に採択されたもの。MaaSアプリの利用データや交通機関の運行データを集約し、可視化・分析を行う。日立エリアでは来年度以降もMaaSによるサービス機能の強化、参加事業者の拡大、新たな交通手段の提供を計画中だ。また、他地域のMaaSアプリでも日立エリアでサービスが利用できるよう、オープン化を目指している。