早稲田エルダリーヘルス事業団(東京都港区)は、神奈川県の「神奈川ME-BYOリビングラボ」の採択により、高齢者の歩行機能改善を目指す実証事業を2020年1月に開始した。県と東海大学(神奈川県平塚市)、県内自治体による「東海大学地域の健康課題解決推進会議」の第1号事業でもあり、東海大学は学術的な視点から共同研究に参加する。

 未病とは、健康と病気を連続したものとして捉え、その中間にある健康でも病気でもない状態を意味する。「神奈川ME-BYOリビングラボ」とは、神奈川県が県内自治体や企業や学術組織などと連携し、「未病」段階における健康改善に資する商品・サービスの実証の場を提供し、結果を評価する仕組み。

「AYUMI EYE」の利用イメージ(資料:神奈川県)
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実証の実施内容(資料:神奈川県)
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 早稲田エルダリーヘルス事業団の実証事業は、同社が開発した歩行能力を解析するデバイス「AYUMI EYE」を、リハビリや介護予防に適用する研究だ。「AYUMI EYE」は、利用者が加速度センサーを装着して6~10m歩くだけで歩行状態が測定・解析できるシステム。歩行の「推進力」「バランス」「リズム」などをスコア化し、グラフで表示する。これを、実証に参加する医療機関や介護施設で行われる機能訓練に導入し、訓練の成果測定や運動指導に利用する。

 機能訓練実施時に「AYUMI EYE」による歩行解析を定期的に行うことで、トレーニングなどの成果を容易に確認できるため、利用者のモチベーション向上(運動の習慣化)につながる。スタッフとっては、利用者の状態に応じた運動の提案や、他のスタッフ(ケアマネージャーなど)や家族とのコミュニケーションが容易になるなど、サービス向上や負担軽減が期待できる。実証実験では、実施前後に利用者・スタッフ双方にアンケート調査を行い、利用者の暮らしぶりや健康状態、「AYUMI EYE」による変化などを調査する計画だ。

 調査対象は利用者100人、スタッフ20人を予定し、実施期間は参加者募集から結果のフィードバックまで含めて、1月から3月までの3カ月間。機能訓練に取り組む利用者のモチベーション向上や、スタッフの負担軽減効果が期待されている。