八条市営住宅の位置図(資料:京都市)
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HIM八条住宅団地再生共同事業体の提案内容。敷地南東側から見た施設全体のイメージ(資料:京都市)
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HIM八条住宅団地再生共同事業体の提案内容。市営住宅の広場から公園を見た施設イメージ。市営住宅の広場や公園を介し、市営住宅と分譲マンションが一体的に配置した(資料:京都市)
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 京都市は、八条市営住宅団地再生事業の総合評価一般競争入札を実施し、長谷工コーポレーションを代表事業者とする「HIM八条住宅団地再生共同事業体」(以下、HIM)を落札者に決定した。長谷工コーポレーションは設計・建設・移転支援業務を担当する。そのほかの構成員は、市浦ハウジング&プランニング(設計・工事監理業務担当)、カノンアソシエイツ(工事監理業務担当)、長谷工コミュニティ(維持管理業務担当)、名鉄不動産(付帯事業用地活用業務担当)。事業費は45億8140万円、土地売買代金は11億3330万円(ともに消費税を含まず)。市は1月25日に発表した。

 事業内容は、以下の4項目からなる。

  1. 市営住宅(新棟)などの整備(230戸の市営住宅と公園を整備し、周辺道路の拡幅)
  2. 入居者の移転支援(現入居者の仮住居となる民間賃貸住宅の斡旋や引っ越し業者の紹介など)
  3. 市営住宅(新棟)の維持管理(新棟の完成から10年間の維持管理、法定点検などを行う)
  4. 付帯事業用地の活用(事業者が付帯事業用地を取得し、自らの事業として若年層世帯や子育て世帯を呼び込む住宅や施設の整備を行う)

 2018年5月に本契約を締結し、2019年6月に市営住宅(新棟)の建設工事に着手、2020年11月に入居を開始する。付帯事業用地にはファミリー向け分譲マンションを建設し、2023年に完成する予定。

 JR西大路駅近くに建つ同市営住宅は、1962年から1966年にかけて整備された。建設から約50年が経過し、敷地内に建つ全7棟の老朽化が進んでいる。このことから、京都市で初となる全棟建て替えによる大規模な団地再生事業として取り組み、住宅の整備と併せて団地内外の活性化を図る。効率的・効果的に事業を実施するため、附属機関として学識経験者などで構成した「京都市八条市営住宅団地再生事業検討委員会」(委員長=髙田光雄・京都美術工芸大学工芸学部建築学科教授 ほか4人)を設置し、事業内容や事業手法、事業スケジュール、事業者提案の審査基準等について審議した。その結果、同事業についてはBOT方式のPFI手法で実施することが決まっていた。

 提案内容は、市営住宅は全棟を地上7階建ての新棟に建て替え、公園整備と併せて周辺道路を6mに拡幅するというものだ。コンセプトとして掲げたのは以下の2点。(1)敷地を一体的に活用し施設、整備と地域コミュニティ活性化の取組を併せて『一つのまち』をつくること。(2)ユニバーサルデザインに配慮し、可変性と快適性を高めたプランニングにより、長期間有効活用できるストックを形成すること。住戸数は全230戸。住宅の延べ床面積は1万1722m2。併設の公園の敷地面積は997.79m2。

 付帯事業用地には地上7階建て全102戸のファミリー向け分譲マンションを建設する。延べ床面積は7928.31m2。このほか、集会所を設けその一角に「まちライブラリー」を設置する。まちライブラリーとは、利用者などが持ち寄った本でつくる私設図書館。本の貸出しやイベントをきっかけに,コミュニティ形成を図る。提唱者は一般社団法人まちライブラリー代表の磯井純充氏。大学、病院、カフェ、お寺、個人宅など全国各地で運営されている。