岡山市、PS瀬戸内(岡山市)、中国銀行、一般財団法人社会的投資推進財団(以下、SIIF)は、2月12日、ソーシャル・インパクト・ボンド(SIB)を活用した健康ポイント事業「おかやまケンコー大作戦」始めると発表した。

■SIBのスキーム
ソーシャルインパクトボンド(SIB)を活用した「おかやまケンコー大作戦」のスキーム(資料提供:SIIF・日経BP総研が一部加工)
[画像のクリックで拡大表示]
■サービス内容と資金の流れ
[画像のクリックで拡大表示]
サービス内容と資金の流れ(資料提供:SIIF)

 このSIBのスキームは上図の通り。サービス提供事業者(20社程度)が運営者となり、事業参加者(市民および在勤者。以下、参加者)へのサービスを提供する。PS瀬戸内が、中間支援組織として資金の受け入れや運営者への事業費の支出を行う。この事業費は、事業期間5年間(2018年度~22年度)で総額約3.7億円。これまでの国内のSIBでは過去最大の事業規模となる。また、PS瀬戸内は参加者へのポイント付与も担う。中国銀行はPS瀬戸内へ融資を実行する。

  今回、岡山市らが実施するSIBは約20社がサービス提供に参加する「企業連携型」であることが特徴だ。そしてもう1つの特徴は、クラウドファンディングで市民からも出資を募ること。融資・出資の総額は約8000万~9000万円。このうち出資は企業(一口50万円以上)や市民(1口2万円)から募り、目標額は約3000万円だ。出資者の募集は2月15日からスタートする。現時点で、サービス提供事業者のうち複数社を含む約20社から、合計約2000万円の出資が検討されているという。

 事業期間の5年間のうち、初年度となる2018年度はシステムやスキームの整備に費やす。健康ポイント事業を実際に開始する19年度以降は、年度ごとの成果目標が達成できれば、岡山市から業務委託料が支払われる。各年度の目標数値は下記の通り。

  • 2019年度
     プログラムへの参加者数1万5000人
  • 2020年度
     生活習慣を改善しようとする人の増加(参加者へのアンケートで把握)
  • 2021年度
     参加者1万5000人中の9000人を週2回以上サービスを利用するリピーターにする
  • 2022年度
     BMIの25以上から25未満への改善か、身体活動量の増加

 成果目標が達成されれば、岡山市は2019年度から21年度は年2500万円を、最終22年度は2000万円をそれぞれ上限として、業務委託料をPS瀬戸内に支払う。

 健康ポイント事業の対象となるのは35歳以上の市民と市内在勤者。ポイントカードを携帯してフィットネスクラブを利用したり、健康に良い食材を購入したりすればポイントが得られ、それを貯めて景品に交換できる。1月末時点で50店舗以上が参加を予定しているほか、歩行数に応じてもポイントが加算される。

 参加者募集は2月15日から。ポイント付与は4月1日からスタートする。システムは既に導入している「健幸ポイントプログラム」を改修して利用する。

 民間の資金とノウハウを活用し、行政の財政負担を抑えつつ社会的課題の解決を図るSIBは、東京都八王子市や神戸市などで健康づくり事業への導入事例があり、厚生労働省のモデル事業もスタートしている。先行事例に比べて大がかりな岡山市の事業の成否は、日本のSIBの今後に大きな影響を与えそうだ。