大阪中之島美術館の外観イメージ(出所:大阪市博物館機構 大阪中之島美術館準備室)
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 地方独立行政法人大阪市博物館機構(以下、機構)は2月6日、2021年度に開館予定の大阪中之島美術館の運営を担う民間事業者として朝日ビルディングを優先交渉権者に決定した。コンセッション(公共施設等運営権)方式で運営を実施するにあたり、公募型プロポーザル方式により運営権者を募集していた。美術館・博物館でコンセッション方式を導入するのは、これが全国初の事例となる。

 大阪中之島美術館は、大阪市が北区中之島4丁目に新たに設置し、2021年度の開館を目指している。建物は地上5階建て、延べ床面積約2万m2を予定している。コンセッション方式で運営を担う民間事業者は、開館準備、施設管理運営、寄附金等調達支援の各業務に加えて、自主事業や任意事業を行う。事業期間は2036年度末まで。

 公募は、2019年6月から2020年1月にかけて実施した。応募資格として、美術館・博物館、または5000m2以上の文化施設の運営実績などの条件が課されていた。応募者は、書類による第一次審査の時点では3者だったが、提案書類を提出し、第二次審査に参加したのは朝日ビルディングだけだった。朝日ビルディングは朝日新聞社のグループ企業で、中之島エリアでは、オフィスやホテル、ホールなどから成る複合施設である中之島フェスティバルタワーを運営している。

 朝日ビルディングの提案は、中之島フェスティバルタワーなどの実績を生かして事業運営にあたるほか、ショートフィルム映画祭、若手アーティストコンペティションなどのイベントを実施し、展示・集客についてはグループ内のメディアを通じた告知、劇場運営のネットワークを活かした宣伝などに取り組むというもの。美術館内の収益施設については、高級西洋料理などのレストラン、台湾ティーブランドのカフェ、デザイン性の高いステーショナリー・雑貨を制作・販売するショップなどを候補に挙げている。

 また、中之島の地域団体とは、既に「大阪・光の饗宴」や秋の音楽イベント、マルシェなどのエリアプロモーションを共同開催しており、大阪中之島美術館もこれに加わることで、中之島のまちづくりに貢献する。運営権のサービス対価は、機構が提示した上限額、52億2300万3000円を下回る52億2270万2100円を提案した。

 審査は、機構が設置した有識者で構成する検討会議の意見も踏まえて実施。評価のポイントとしては、朝日ビルディングが有する運営維持や保守に関する知見やノウハウを活用し、効率的な維持管理運営業務ができること、展覧会以外に様々なツールを用いて美術館の認知と来館を図り、利用者サービス向上のほか、中之島全体のまちづくりや魅力向上、地域貢献などにも資する点などを挙げている。