福島県会津若松市で2021年2月15日、ダイナミックルーティングバス「MyRideさわやか号」の実証実験が始まった。ダイナミックルーティングバスとは、既存バス路線のバス停とは別にバーチャルバス停を多数設置し、利用希望者がスマホの専用アプリで出発地、目的地、人数を指定して乗車予約できるバスのこと。他の乗客の予約内容、道路混雑状況などを考慮しながら、AI(人工知能)が最適な運行ルートやスケジュール(ダイヤ)を決定する。

専用アプリによる「MyRideさわやか号」の予約から利用までの流れ(出所:みちのりホールディングス)
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 実験は2021年2月15日から同年4月9日までの平日、会津若松市が会津Samurai MaaSプロジェクト協議会に事業委託して実施する。同協議会の構成メンバーは、会津乗合自動車(以下、会津バス)、会津鉄道、JR東日本、デザイニウム、アルプスアルパイン、NEC会津イノベーションセンター、三菱商事、福島大学経済経営学類吉田研究室、KCS。みちのりホールディングス、Via Mobility Japanも実験に参加する。

 会津若松市と会津バスは2014年から金川町・田園町住民コミュニティバス運営協議会と連携して、住民コミュニティバス「さわやか号」を運行している。今回の実証実験では、定時・定路線のさわやか号では対応できなかった移動需要の創出効果や、ダイナミックルーティングバスの運行効率を検証する。さらに、ダイナミックルーティングバスをより広範囲に導入する可能性についても検証する。

 実験では、金川町・田園町の住民、オフィス複合施設「AiCT」の勤務者、市役所利用者に、乗車予約の専用アプリを利用するための利用コードを配布。金川町・田園町の住民が頻繁に利用する病院や商業施設には、スマホを持たない人やコード配布対象外の人の予約を代行するサポートデスクを設置する。

 MyRideさわやか号の乗降場所は、既存のバス停100カ所と標柱のないバーチャルバス停85カ所の計185カ所。予約時間帯は朝(午前7時30分~午前10時)、昼(午前10時~午後4時30分)、晩(午後4時30分~午後7時30分)となる。運行エリアは、会津若松市の金川町・田園町周辺、市役所やAiCTの周辺で、1日中運行するエリア、朝と晩の時間帯だけ運行するエリア、昼の時間帯だけ運行するエリアに分かれている。料金は1乗車あたり大人400円/小人200円で、1カ月定期が2500円(さわやか号と共通)。車両は乗客定員8人のジャンボタクシーを利用する。

MyRideさわやか号の運行エリア図。実験期間中も定時・定路線の「さわやか号」は運行する(出所:みちのりホールディングス)
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 ダイナミックルーティングのシステムは、米Via Transportationとその日本法人であるVia Mobility Japanが開発した。Via Transportationのシステムは、日本を含む150以上の自治体、交通機関、民間企業、教育機関で使われているという。