1月20日に開会した第201回通常国会では、内閣府や国交省、文部科学省などがPPP/PFIやまちづくりに関する法案(改正法案)を提出している。こうした法案の中から主なものについて概略を紹介する。今回は「持続可能な運送サービスの提供の確保に資する取組を推進するための地域公共交通の活性化及び再生に関する法律等改正案」の内容を整理する。

 人口減少や運転者不足が深刻化し、地域によっては路線バスや鉄道の維持が難しくなっている。一方で、高齢者の運転免許返納が増え、自家用車に頼らない移動手段が必要だ。そこで、自治体主導で交通サービスを確保・改善できるようにするのが「持続可能な運送サービスの提供の確保に資する取組を推進するための地域公共交通の活性化及び再生に関する法律等(*)改正案」だ。貨客混載やMaaS推進などの内容も盛り込まれている。

* 改正対象法:地域公共交通の活性化及び再生に関する法律、道路運送法、流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律

 改正案は、市町村による「地域公共交通計画(マスタープラン)」作成を促し、これに基づいて地域の移動ニーズに細かく対応できるようにするもの。加えて、観光振興策との連携も求める。複数の市町村にまたがる広域サービスが必要な場合は、都道府県が計画を作成する。2019年7月時点で全国の計画作成数は524件だが、24年度までに1200件に伸ばすことを目標としている。

 この計画に基づき、維持が困難になったバス路線などについて、さまざまな選択肢を検討・協議し、地域に合った運送サービスを継続する枠組みをつくる。過疎地で市町村やNPO法人が自家用車で行う「自家用有償旅客運送」を実施しやすくし、地域住人だけでなく観光客も乗せられるようにする。また、鉄道やバスが人と貨物を同時に乗せる「貨客混載」の手続きも円滑化する。

 公共交通サービスの改善に向け、MaaS(Mobility as a Service、新モビリティーサービス事業)を検討するにあたっては自治体による協議会制度を設ける。MaaSに参加する複数の交通機関の運賃設定の届出を一括して進めるように手続きをワンストップ化する。利用者の利便性を向上するために、路線・ダイヤの改善や運賃改定も促す。

MaaSの概要
(資料:国土交通省「都市と地方の新たなモビリティサービス懇談会」中間とりまとめ参考資料集、2019年3月)

 また、複数の事業者が連携して鉄道インフラや物流拠点を整備する際、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(JRTT)が貸し付けを行えるようにする。

・発表資料