福井県敦賀市は、JR敦賀駅の西側にある市有地の活用について公募型プロポーザルを実施し、青山財産ネットワークス(東京都港区)とHifリゾート(石川県小松市)で構成する企業グループを優先交渉権者に選定した。代表企業は青山財産ネットワークスである。

優先交渉権者に選ばれた青山財産ネットワークスとHifリゾートで構成する企業グループの提案(資料提供:敦賀市)
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敦賀駅西地区土地活用事業のエリア(資料提供:敦賀市)
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 事業の名称は敦賀駅西地区土地活用事業。2022年度末に北陸新幹線の金沢~敦賀間が開業を予定しており、観光客の増加や消費活動の活性化が期待されているエリアだ。対象の土地は、道路を挟んでAゾーンとBゾーンに分かれている。広さはAゾーンが4337.7m2、Bゾーンが3638.06m2だ。このうち一部に市の負担で公園を整備し、残りの部分に民間事業者の負担で宿泊施設、飲食店舗、物販店舗、知育をテーマにした公共施設から成る複合施設を整備。完成後、市は公共機能の部分を賃借するという事業スキームだ。公募は2018年9月から2019年1月にかけて実施した。応募は4者で、このうち書類による資格審査を通過した2者から、青山財産ネットワークスのグループが選定された。

 青山財産ネットワークスグループの提案は、港町である敦賀の玄関口にふさわしい、市民と来訪者の交流や賑わいの拠点となる施設という方針の下、ホテル、テナント棟、子どもの一時預かり棟、公共機能の各施設を整備するというもの。各機能を分棟形式で整備し、各棟を公園とキャノピー(ひさし)でつなげ、回遊しやすい配置にする計画だ。テナント棟には敦賀の名産品を取り扱う店舗、地元事業者による物販・飲食の店舗を誘致し、子どもの一時預かり棟は、外部の遊び場と一体となった託児スペースと子育て支援拠点からなる施設を提案した。ホテルは、ジュニアスイーツ4室を含む141室、延べ床面積4513.42m2の規模となる。ビジネスホテルを基本としながら、訪日外国人も含む観光客の需要にも応える仕様にする計画だ。公園部分は、通路を兼ねた憩いと交流のスペースとする。施設の土地は、定期借地権を設定して市から借り受けるスキームだ(関連記事)。

 審査は内容審査800点、価格審査200点の計1000点満点で実施した。内容審査は全体計画、施設計画、維持管理・運営計画の3つの大項目に分かれている。青山財産ネットワークスグループの提案は、全体計画の中の事業実施体制、施設計画の中のデザイン・景観と、提案施設の宿泊機能・飲食機能・その他提案機能の各項目で特に、次点の事業者と比べて点数が高かった。価格面では、次点の事業者の方が市に優位な条件を提示したが、内容審査点の差により総得点では同グループが上回った。

 講評では、公園と施設が一体的に計画され、交流と賑わいを生み出す点、中低層の施設を分棟配置する計画が回遊性の向上や統一感のある街並み形成につながる点などが、高く評価されている。また他市での事業実績や、インバウンド需要への対応も可能なワンランク上のホテル、ならびにホテルと地元飲食店の連携による地域経済への好影響なども、審査での得点につながった。

 今後は、3月に基本契約を締結後、2019年度から2021年度にかけて設計、建設を行い、2022年度の供用開始を目指す。