国土交通省と内閣府は2020年2月12日、関係府省や団体によるPPP/PFI推進施策の説明会を開いた。日本政策投資銀行本店(東京都千代田区)を本会場として、全国の支店や事務所に同時配信した。参加は無料登録制で、全国15会場に約290人が集まった。自治体や事業者による関心は高く、申し込みは500人を超え、応募が定員の2倍を超えた会場もあったほど。説明会の資料は国交省がウェブサイト上で公開している。

PPP/PFI推進施策説明会の様子(写真:赤坂 麻実)
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 説明会では、内閣府、国交省、文部科学省、厚生労働省、経済産業省の5府省、および、民間資金等活用事業推進機構、日本政策投資銀行による施策のプレゼンテーションが行われた。また、千葉県習志野市、山口県山陽小野田市がPPP/PFIの事例を紹介した。以下、当日のプログラムより、いくつかをピックアップして紹介する。

国交省がPPP/PFIの調査費用を支援、制度利用のポイントを解説

国土交通省国土政策局広域地方政策課調整室専門調査官の紙谷晴子氏(写真:赤坂 麻実)

 国交省からは、上下水道、公園、MICE(Meeting、Incentive Travel、Convention、Exhibition/Eventの頭文字)などに関連したPPP/PFI推進施策のほか、「先導的官民連携事業」「官民連携による地域活性化のための基盤整備推進支援事業」という補助制度が紹介された。

 PPPやPFIの導入可能性の検討や具体的な事業手法の選定などに関する調査費用を補助する「官民連携による地域活性化のための基盤整備推進支援事業」については、同省国土政策局広域地方政策課調整室専門調査官の紙谷晴子氏が、制度利用のポイントを解説した。

 この制度は、民間事業者による投資(商業施設開発など)と、自治体による基盤整備とを一体的に実施する計画に対して、事前の調査費を補助するもの。ここでいう基盤とは、道路、海岸、河川、港湾、都市公園などの社会資本を指す。支援の対象は地方公共団体であり、民間事業者や国は対象外となる。支援対象の調査は、需要予測や概略設計など、施設整備そのものに関わるものと、施設の整備・運営の手法に関するものだ。PPPやPFIの導入可能性の検討も対象になる。補助率は一律で2分の1。年に3回配分する。

■官民連携基盤整備推進調査費の制度概要
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PPPやPFIの導入可能性の検討も対象だ(国交省の説明資料より)

 支援の対象になるのは、事業化検討の段階のものだ。紙谷氏は次のように例を挙げながら説明した。「例えば、道の駅を市内につくることが決まっているものの、候補地が複数ある場合は『構想』段階とみなす。予定地が決まれば『検討』段階に入ったとして、支援対象になる。また、百貨店が撤退した跡地を活用するケースでは、商業施設を誘致するか、公園にするか、方針が固まっていないのは『構想』段階。公園にすると決まれば事業化『検討』段階で支援対象となる」。

 事業方針が決定して事業実施段階に入れば、社会資本整備総合交付金など、他の支援制度の対象となり、官民連携基盤整備推進調査費の補助対象からは外れるという。

 制度を利用する自治体は、調査から3年以内の事業化を目指すことが前提となる。ただし、「必ずしも着工までこぎつけなくとも、実施設計に着手すれば事業化と認められる」(紙谷氏)と説明した。さらに「調査費は繰り越しができない」など、実際的なアドバイスも語られた。同制度の利用事例としては、前橋市の国道17号(上武道路)沿線の道の駅事業や、盛岡市の中心市街地のバスターミナル事業、二戸市の金田一近隣公園事業などがある。