大阪府茨木市は、2015年に閉鎖した市民会館の跡地エリアの整備について、設計・施工を担う事業者をプロポーザル方式で公募。応募3者の中から竹中工務店・伊藤豊雄建築設計事務所共同企業体を受託候補者に選定し、提案概要を公表した。

整備対象となっている敷地A~Dの配置(資料:茨木市)
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竹中工務店・伊藤豊雄建築設計事務所JVによる提案のイメージパース(資料:茨木市)
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 整備対象となっているエリアは、市民会館跡地と、現在は茨木市中央公園のグラウンドなどに使われている敷地の計4つだ(敷地A~D)。JR線の茨木駅と阪急電鉄の茨木市駅を結ぶ場所に位置し、4つの敷地は茨木市役所を囲む形で配置されている。新たな複合施設は敷地Aに建設する。今回の募集は、新施設を含む敷地A・Bを対象に行われた。敷地面積は、敷地Aが約6000m2、敷地Bが約3450m2。

 敷地Aには、1200席規模のホール、子育て世代包括支援センター、市民活動センター、図書館、プラネタリウムなどを含む複合施設を整備し、敷地Bには芝生広場と遊具や植栽といった公園施設を整備する。市が提示した費用の上限価格は152億8000万円(消費税込み)だ。

 これに対して、竹中工務店・伊藤豊雄建築設計事務所JVは、「日々何かが起こり、誰かと出会う」をコンセプトに、解放的なテラスや緑を積極的に配置し、周辺の風景と施設が融合した立体的な公園のような公共空間を提案した。建物は7階建てで、3階から5階が大ホールとなっているほか、1階と2階に子育て支援施設、5階と6階に図書館、7階に市民活動センターとプラネタリウム、会議室などが配置されている。1階にはエントランス広場、屋内遊び場、カフェ、多目的ホールなどもある。各階は「縦の道」と呼ぶ吹き抜け空間とエスカレーターの動線でつながり、利便性の向上と機能の融合による相乗効果を生み出す工夫がなされている。また、1階部分は、建物の前面に広がる芝生広場と連続性を持たせた開放的な空間となっている。提案価格は151億円3600万円(消費税込み)だった。

 提案に対して市は、コンパクトかつ多層階に展開した階層構成ながら、縦の道でつながる各フロアの伸び伸びとしたゾーニングやゆとりを感じさせる空間、および各階のテラスに配した緑が建物を包み込み、周辺と融合するという考え方などを評価した。また、基本構想で示していたキーコンセプト「育てる広場」にも、最もマッチした提案と評している。

 公募は2019年8月から2020年1月にかけて実施。公開プレゼンテーションとその後の選定委員会の審査を経て、受託候補者を選定した。今後は、3月中旬に市議会の議決を経て本契約を締結し、その後、市民参加型のシンポジウムも開催する予定だ。供用開始は、大ホールと多目的ホールが2024年4月、それ以外の部分は2023年11月を予定している。