実証実験の流れ。寄附者となる事業者は食材の画像や量・賞味期限等をシステムに登録。子ども食堂はその中から欲しい食材を選んで寄附者に連絡し、食材を配送する日時と配送先をタクシー会社に電話する(出所:枚方市)
実証実験の流れ。寄附者となる事業者は食材の画像や量・賞味期限等をシステムに登録。子ども食堂はその中から欲しい食材を選んで寄附者に連絡し、食材を配送する日時と配送先をタクシー会社に電話する(出所:枚方市)
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 大阪府枚方市とワイヤレスゲートは、同市の子ども食堂支援事業における「寄付希望者と子ども食堂のマッチング業務」と「食材等の配送業務」のDX化に関する実証実験を実施中だ。期間は2月3日~3月31日。実証実験が終了する4月以降も枚方市での取り組みを継続する予定である。

 寄付食材のマッチング業務については、まず食材寄付者が専用ウェブサイトから寄付食材を登録。子ども食堂は、専用のウェブサイトにログインして寄付食材を一覧し、自ら食材提供者に連絡して食材授受の合意形成するという仕組みを構築した。

 寄付食材はタクシーで有償貨物運送を行うことで、適切なタイミングでの提供を可能にする。配送料は、ワイヤレスゲートが運営する社会貢献型通信サービス「こども食堂応援 Wi-Fi for 枚方市」の寄付を活用する(不足分は別途充当)。同社ではこの取り組みについて、SDGsの17の行動目標のうち「1.貧困をなくそう」「2.飢餓をゼロに」「3.すべての人に健康と福祉を」「10.人や国の不平等をなくそう」「11.住み続けられるまちづくりを」「17.パートナーシップで目標を達成しよう」の6つに貢献するとしている。

 枚方市では従来、市職員が介在して電話やメールなどを用いて食材寄付者と子ども食堂のマッチング業務を行っていた。また、マッチング後に配送手段がないため食材の授受ができなかったケースもあった。今回の実証実験では、専用サイトを介したマッチング業務でどの程度効率化が得られるか、どの程度の受け渡しが成立するかを検証する。

 実証実験には、枚方市とワイヤレスゲートのほか、ソーシャル・エックス(SOCIALX、東京都渋谷区)、認定NPO法人・全国子ども食堂支援センター・むすびえ、地元タクシー事業者の第一交通(枚方市)、慶應義塾大学SFC研究所が参画する。

 実証実験に参加する子ども食堂は、樋之上こども食堂(定員約50人)、子ども食堂すがはらひがし(定員約30人)、子どもいきいき笑顔食堂(定員約40人)、いまここ子ども食堂(定員約30人)の4団体。食材寄付者は、生活協同組合おおさかパルコープ、他にも複数団体と調整を進めている。

今回の子ども食堂支援の流れ(出所:ワイヤレスゲート)
今回の子ども食堂支援の流れ(出所:ワイヤレスゲート)
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 枚方市では、現在19団体21カ所で運営されることも食堂が、市内のすべての小学校区(45校区)で実施されることを目指している。一方、その実現に向けた課題として、個人・法人の食材寄付者と子ども食堂とのマッチングと、食材の配送が挙げられていた。ワイヤレスゲートは、全国約6000カ所の子ども食堂の支援活動と子どもの貧困を含む社会課題解決を目指し、「こども食堂応援Wi-Fi」と実証実験の成果を全国の自治体に向けて提案していく。

 今回の実証実験は、SOCIALXが提供する官民共創マッチングサービス「逆プロポ」を活用してワイヤレスゲートが寄付先の自治体を公募し(関連記事)、枚方市と奈良県生駒市を選定したことで実現した。生駒市では2021年12月から22年1月にかけて、子育て支援事業のDX化に向けた実証実験を実施している。