広島県は2020年2月、道路施設にフォーカスした「ひろしまサンドボックス」実証プロジェクト(行政提案型)の公募で、8件のプロジェクトを選定したことを発表した。

 公募のテーマは、道路の法面崩落を予測する技術を開発する「法面崩落の予測」、経験の少ない除雪機械のオペレーターでも除雪作業が可能となる支援技術を開発する「除雪作業の支援」、効率的で低コストの路面状態の調査手法と路面陥没を予測する技術を開発する「路面状態の把握」の3つ。

AIを活用した法面崩落の予兆把握のイメージ(資料:広島県)
[画像のクリックで拡大表示]

 優秀提案者として以下の企業グループを選定し、実証プロジェクトとして決定した。法面崩落の予測は、荒谷建設コンサルタント(広島市)、エブリプラン(松江市)、基礎地盤コンサルタンツ(東京都江東区)中国支社、復建調査設計(広島市)広島支社をそれぞれ代表者とする4件。除雪作業の支援は、パスコ広島支社、ワイズ公共データシステム(長野市)をそれぞれ代表者とする2件。路面状態の把握は、広島市立大学、加藤組(広島県三次市)をそれぞれ代表者とする2件。

 このうち荒谷建設コンサルタントを代表者とする提案は、路線バスなどに搭載した小型カメラが撮影した法面画像データをAI(人工知能)で解析して法面崩落の前兆を把握するというもの。それ以外の提案の多くも、AIを活用したものとなっている。

 今後は、20年3月中に提案者と契約を締結し、20年3月から9月まで実証プロジェクトを実施。その結果を受けて、20年10月から21年3月まで本格運用に適した技術について実施規模を拡大する。なお、除雪作業の支援のみ、実証プロジェクトの実施期間は20年3月から21年3月まで、本格運用に適した技術の実施規模拡大の期間は21年4月から22年3月までとなる。

 ひろしまサンドボックスとは、AI、IoT(Internet of Things)、ビッグデータなどの最新テクノロジーを活用して、地域課題の解決をテーマに試行錯誤する実証実験の場を提供するもので、広島県は18年から実証実験のテーマを複数提示して提案を公募している。道路施設にフォーカスした3つのテーマは19年10月25日から12月6日まで公募し(道路施設にフォーカスした公募:PDF)、28件の応募があった。

ひろしまサンドボックスのコンセプト。砂場(サンドボックス)のように最新技術を何度も試行錯誤できる場となる(資料:広島県)
[画像のクリックで拡大表示]

 広島県の湯崎英彦知事は20年2月18日の知事記者会見において、道路施設にフォーカスした公募を「社会資本の老朽化の進行や維持管理・更新費の増加、若手の担い手不足などの課題に対応して、デジタル技術を活用したソリューション提案を県内外から広く求めたもの」と説明。これらの取り組みを通じて「デジタル技術をあらゆる産業や社会生活に取り入れ、県民生活や企業が、さまざまな面でより良い方向に向かうよう『スーパー・スマート広島県』の実現に向けて取り組んでまいります」と意気込みを語った。

この記事のURL https://project.nikkeibp.co.jp/atclppp/PPP/news/022601464/