「ウルトラ見守りチャレンジ」の告知チラシ(資料:藤沢市)

 認知症を抱えた行方不明者を早期発見する、市民参加型社会実験イベント「ウルトラ見守りチャレンジ」が、2019年3月8日、9日の2日間(両日の10時~13時、16時~19時)、神奈川県藤沢市の明治地区、辻堂地区で開催される。併せて、ショッピングモール「湘南モールフィル」(藤沢市)で認知症啓発活動を実施する。

 藤沢市明治地区では、メルシャン藤沢工場などの地元企業や社会福祉法人、住民が主体となって認知症に対する理解促進と、行方不明者の捜索・保護に向けた互助型の認知症見守りセーフティネットワーク構築に取り組んできた。

 2017年から、認知症サポーター養成講座を14回、認知症の行方不明者捜索訓練「明治見守りチャレンジ」を6回開催している。今回開催する「ウルトラ見守りチャレンジ」はより多くの関心を集めるため、枠組みを拡げて実施する。

 主催者のウルトラ見守りチャレンジ実行委員会は、「明治見守りチャレンジ」を運営してきたメルシャン藤沢工場、SOY LINK(運営母体はパナソニックを代表とするSOY LINK実証取組委員会)、社会福祉法人のいきいき福祉会(ラポールグループ)で構成。藤沢市が共催し、複数企業が特別協力する。

 訓練は明治地区と辻堂地区に現れる行方不明者役約35人(演じるのは民生委員など)の捜索を想定している。行方不明者役は、見守りタグ(Bluetooth型電波発信機)を身につける。この見守りタグの位置情報は、Bluetooth通信に対応するスマートフォン(スマホ)にインストールした専用アプリ(SOY LINK)を介して、半径約10-30メートル以内の範囲で検知することができる。検知された位置情報は、見守りセンター(地域介護事業者、立山システム研究所)に自動通知されて、見守りタグ保持者の家族、および捜索に協力する見守りメンバーに伝えられる。

 住民ボランティアなどの見守りメンバーには見守りタグの位置情報のほかに、SOY LINKを介して、行方不明者の年代、性別、身長、服装などの特徴に関する情報が共有され、これを手がかりに捜索を行う。

 ウルトラ見守りチャレンジでは、見守りメンバーに加えて、見守りサポーターが新たに参加する。見守りサポーターは、藤沢市に在住・在勤・在学の人のうち、SOY LINKの利用規約に沿って、各自のスマホにインストールすることが可能な人であれば誰でも参加できる。見守りサポーターのなかから、行方不明者役の見守りタグを検知した参加者に抽選で後日記念品が授与される。

 見守りサポーターは、イベント当日、スマホ(SOY LILNK)に通知された指示に従って、捜索モードをオンにする。ただし見守りサポーターは捜索に参加しないため、行方不明者の特徴に関する情報は共有されない。

 仮に、見守りタグを持つ行方不明者とすれ違ったとしても、検知された見守りタグの位置情報の本部や家族への通知は、専用アプリがすべて自動で行う。そのため、見守りサポーターの仕事や生活に支障はなく、行動は普段通りでよい。

 見守りサポーターが多いほど、見守りタグが検知される可能性が高くなり、見守りメンバーの捜索にかかる負担が軽減され、行方不明者の早期発見につながることが期待される。本イベントではこの仮説を検証する。

 実験結果は、3月16日開催の「ALLふじさわ合同ミーティング 認知症について考える」で報告予定だ。

 今回、Bluetooth間の情報通知機能などは、本イベントに特別協力するMAMORIOとジョージ・アンド・ショーンが提供する落とし物の検知サービスなどが活用される見込みだ。

 警視庁の発表によると認知症行方不明者は全国で、増加傾向にある。藤沢市では本イベントを通じて、認知症の啓発をさらに進めていく。