PFS事業の実施手順(出所:内閣府の「成果連動型民間委託契約方式共通的ガイドライン」)
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 内閣府は、成果連動型民間委託契約方式(PFS:Pay For Success)を推進する一環で、自治体がPFS事業を行う上で実務上の指針になる「成果連動型民間委託契約方式共通的ガイドライン」を策定し、2021年2月26日に公開した。

 PFSは、行政課題の解決に対応した成果指標を設定し、成果指標値の改善状況に連動して委託費などを支払うことにより、より高い成果を生み出すインセンティブを民間事業者に強く働かせる官民連携の手法だ。2019年度末時点で、国内で59件が実施されている(内閣府調べ)。

 ガイドラインでは、PFS事業の実施手順や実施体制、成果指標の設定および評価の方法、成果に応じた支払額などの考え方、契約期間などに応じた予算措置といった、分野横断的な共通的事項を取りまとめた。主に国内の先行事例から得た知見を踏まえ、民間事業者、評価専門家、有識者などから意見を聞いて策定した。

 PFS事業の実施手順は、(1)事業の発案、(2)案件形成、(3)民間事業者の選定・契約、(4)事業実施、(5)評価、支払いの5つのステップに分けて図解した。各工程で留意すべき点なども具体的に示した。例えば、案件形成時にマーケットサウンディングを行う場合は、公平性、透明性に配慮し、事業参画を検討する複数の民間事業者を対象とすること、民間事業者に過度な負担が生じないようにすること、民間事業者から提示された情報に含まれる企業秘密の取り扱いに配慮することに留意すべきとしている。

 PFSの事業目標は、事業の対象となる行政課題の現状を踏まえ、事業の対象者層を設定し、事業実施後の対象者層の改善目標を設けるという設定方法を示した。成果指標について、事業の直接の結果であるアウトプットではなく、アウトプットがもたらす状況の変化など、アウトカムに相当するもので設定するという原則を示した(アウトプットのみを指標として支払額と連動させる簡易的PFS事業についても後のページで留意点などをまとめている)。その際は、事業以外の要因が影響しやすくなる長期アウトカムではなく、初期、中期のアウトカムを成果指標にすべきだと解説している。

 民間事業者の選定方法は、公募を原則とし、公募を行わない場合は選定理由を公表するなど、透明性を確保することとした。自治体が民間事業者の提案を審査するに当たっては、(1)競争性のある随意契約(公募型プロポーザル方式など)、(2)総合評価落札方式による一般競争入札のいずれかの方法が望ましいとしている。

 ガイドラインには参考資料として、国内の先行事例の一覧表や、東近江市のソーシャルインパクトボンド(SIB)を活用したPFS事業の実施体制の解説なども掲載している。

この記事のURL https://project.nikkeibp.co.jp/atclppp/PPP/news/030201900/